ついに今月カムバックを予定しているのがニューヨーク・メトロポリタン歌劇場。パンデミックやそれにともなうゴタゴタが長期化したけれど、なんとか仕事が復活するというのはよかったことだと思いますね。
ところでメトロポリタン歌劇場の座席数ってアホみたいに多いってご存知ですか。東京のコンサートホール、大ホールっていうのは2000席前後が多いのですが(サントリーホールや東京芸術劇場あたり。東京文化会館は2300席)、メトロポリタン歌劇場の座席数は3800やからな。立ち見席を入れるとほぼ4000ですから。バカでかいんですよ。ちなみにカーネギーホールの大ホールは2800席。グレートなアメリカを体現しているのだ。Oh…
で、気になるのが「チケットは売れてますのか」という問題ですが、2000万ドル(約22億円)ぐらい売れているそうです。パンデミック前は同じ時期に2700万ドル(約30億円)を売り上げていたそうなので、比較して74%程度にとどまる。っていうか74%ってわりかしいい線行っているかも、と思ったのは私だけではないのでは。とはいえメトの運営費は3億ドル(330億円ぐらい)らしいんで、いずれにせよチケット収入は10%にも届かないんだね・・・。いろいろ考えちゃう。
パンデミック期間中に失った収益は1億5000万ドル(165億円ぐらい)にのぼるそうなので、がんばって回復させようぜというところでございましょうが、それにしても最悪の状況ではなさそうな感じ。今シーズンは22演目合計196公演。海外からの旅行者のチケット収入がかつては20%を占めていたそうなんですが、旅行の困難が続いている点も影響を及ぼしているのでありましょう。
ちなみにアメリカのオーケストラやオペラハウスの定期チケット購入者は平均でなんとパンデミック前の4分の1に減少しているようで、こっちについてはかなりきついと言わざるを得ない。人々は超一流どころには金を落とすが、そうでないところには落ちにくくなっているというのが現状ではないかと推測します(推測です)。なかなか。
現場で働く人達の写真もたくさんあって活気を感じるニューヨーク・タイムズ紙の記事は:
https://www.nytimes.com/2021/09/10/arts/music/met-opera-reopening-pandemic.html