プーチン大統領はマリインスキーとボリショイの統合について、金曜日に持たれた会合で提案をしたという報道。もともとはタス通信で報じられたことだそうですが、あちこちで報道されている。たとえばワシントン・ポスト紙。
https://www.washingtonpost.com/theater-dance/2022/03/25/putin-bolshoi-mariinsky-gergiev/
昨日、プーチン大統領は芸術界の受賞者たちと会見。そのなかでプーチン大統領は西側がロシア文化をキャンセルしていることを非難。90年前のナチスの行為と比較した。「本がまさに広場で燃やされた」と。
そしてゲルギエフに向かいボリショイ(モスクワ)とマリインスキー(サンクトペテルブルク)の指導者の統合について話をした。これは「1917年のロシア革命前に帝政ロシアに存在した、サンクトペテルブルクとモスクワのオペラ、バレエ、劇場、そしてその教育機関すべてを一人が監督するシステムのことを指す」とワシントン・ポスト。
このアイデアについてどう思うかと大統領はゲルギエフに尋ねた。「ただしこれは決定事項ではない。不要な話はしないように」。
ゲルギエフは「ボリショイとマリインスキーは地上で最も強力な音楽と音楽劇の伝統の2つである。どのように努力を調整するか考えるべきときだ」と答え「おそらくこれは遠大で本格的かつ有利な機会を持つことが出来るものだと思われる」とも付け加えた。
ワシントン・ポスト紙には、プリンストン大学の音楽教授でロシア・バレエにまつわる『ボリショイ・コンフィデンシャル』著者であるサイモン・モリソンのコメントが掲載されている。「これはボリショイとマリインスキーをゲルギエフのもとで統合する下地作りに等しい」「これはボリショイのトップであるウラジーミル・ウリンに対する報復である」「プーチンはウリンが忠誠心に欠けるとして罰している」「ウリンはすぐには交代させられないかもしれない、春のシーズンが終わるまではとどまることが許されるかもしれない。しかしもっと早い退任もありうる。プーチンがゲルギエフのボリショイ就任を示唆したことは、ウリンを辞任に追い込むのには十分であり、事実上そうなる可能性を高めている」
ボリショイの広報担当は「コメントをしない」と回答。