ボストン交響楽団は来月半ばに予定されていたヨーロッパツアー(ロンドン、ウィーン、ライプツィヒ、ハンブルク、パリ)を中止しました。なぜか。コロナ。
https://www.bso.org/press/boston-symphony-orchestra-cancels-upcoming-european-tour
3月31日、4月1日、2日と3日間ブリテンの《戦争レクイエム》(児童合唱を含む巨大合唱団が必要な大作)をボストン・シンフォニーホールで演奏した後、オーケストラメンバーおよび合唱団に31名の感染者が出たとのことです。合唱団はマスクなし。重症者なし。
ボストン交響楽団では演奏者全員にブースター接種が義務付けられており、合唱団および管楽器奏者は毎日、弦楽器奏者は週に2回の検査を受けている。またボストン・シンフォニーホールの空調システムは最新のもので、健康基準を上回っている。聴衆もまた2回の接種証明もしくは陰性証明を求められ、マスクも常時着用。
安全対策は常時評価され、必要な調整が続けられていると上のボストン交響楽団のリリースには記載がありましたが、今回のクラスターを受けてまたルールが変わるのかもしれません。
それにしてもさまざまな努力にも関わらずクラスターが発生したということて、コロナのしぶとさを感じますし、これによって今から1ヶ月後のヨーロッパツアーが中止になる(莫大な金銭的および精神的損失)ことを考えますと、オーケストラやオペラの引っ越し公演など、大きな団体の国際的なツアーの実施にはいまだ少なからぬ「中止」リスクがあると考えざるを得ませんね。
それにしても「古典的なスーパースプレッダー」が発生、とミュージカル・アメリカには書かれていて、もはやスーパースプレッダーという言葉が古いというか、ああそんな言葉あったな、ぐらいな気持ちになっているのに軽く驚くというか、それだけ慣れきってしまったのかも、とも思います。