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ロッテルダム・フィルが2回演奏を中断する

ハンブルクの奇抜で斬新なエルプフィルというコンサートホールは費用が恐ろしくかかったが素晴らしいホール、ランドマークとして認知されていて、観光客もたくさんくるのだというのです。それがためかどうかははっきりとわかりませんけれど、聴衆がいわゆる「クラシック音楽を本当に聴きたいと思っている人たち」だけではなく、より幅広い人達が来ていて、会場がやや荒れることがある、ということもまた知られております。

4月27日はヤニク・ネゼ=セガン指揮ロッテルダム・フィルの公演で、最前列のお客様がいきなりスマホで写真を撮って(なおヨーロッパのスマホはサイレントモードならシャッター音が出ません)案内係が制止した。遅れ客がガチャガチャ音を立てて座った。まあここまではよかったのですが、このあとに2回、演奏が止まることとなった。

停止その1:携帯電話の着信音が鳴り、2分ほど止まらなかった(高齢のご夫婦)
停止その2:最前列で女性が眠り込んでしまい、大きないびきをかきつづけた

この女性は会場の外に出ていただくということになってしまった模様。ちなみにこの日の演目はシルヴェストロフとアルマ・マーラーの作品+マーラーの4番。

これを紹介しているレブレヒトのブログのコメント欄が興味深くて、日本の聴衆がダントツ静かだと言うことを何人かの人が書いている点ですね。

https://slippedisc.com/2022/04/yannick-stops-mahler-twice-for-phone-flash-and-snoring/

日本人はもともとあまり大声をださないように思いますし、こういうところでは静かにしているべきと小さな頃からよくしつけられていて、ついでに言うと静かにしないと許されない的無言の同調圧力もあるとは思うのですが、やはりこう、しん、と静まっているのは心地がよいものですね。

静かな空間を作るために各ホールいろいろ苦労しているのですが、コメント欄に中国ではスマホを会場内に持ち込めない(出るまで回収される)、とか、問題行為をしている人を黙らせるためレーザー光線を使うところもある、と書いてありました。レーザー光線はさすがにやりすぎな気もしますし、スマホを会場内に持ち込ませないというのも、人件費などの手間暇がかかる上にスマホ2台持ち3台持ちなどの理由で没収をすり抜ける人もいるでしょうから完璧ではない。

そして「リヒテルのライブ録音をたくさん聞いていると、日本の聴衆が一番静かで米国の聴衆が最も騒がしい」というコメントには笑ってしまった。ライブ録音のノイズの量を比較するってなかなかおもしろいではありませんか!!マイクのセッティングとかミキシングとかある程度はノイズってコントロールできると思うんですが、やっぱり日本のライブは静かなんだろうか。

ライヴ録音対決!国別対抗ノイズの大きさ選手権!とかやったらどういう結果になるのでしょう。どなたか調査していただけませんか。