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英国の最新の調査結果:「64%が音楽家を辞めることを検討中」

英国の新しい調査です。

調査に参加した人たちの数が560と少ないため結果には議論の余地があります、てなことを調査している会社自らが表明していますが、音楽ブッキングプラットフォーム「Encore Musicians」というのがあって、何や何やと見に行ってきました。いわゆるマッチングサービスですね。

https://encoremusicians.com/

https://slippedisc.com/2020/08/two-in-3-uk-musicians-are-thinking-of-giving-up-music/

このアンコール・ミュージシャンズに登録している音楽家を対象に行われた調査の結果、回答数560で、タイトルの通り64%の人たちが音楽家以外の職業に就くことを検討しているとのことであります。実に3分の2です。この中にはロンドンのプロオケで働いている人も複数いることも明らかにされています。

ある女性ミュージシャンは、政府のサポートが受けられなかったということもあり、アパートを引き払って実家に戻り、ホテルの受付業についていると回答したそうです。

(ホテルだってしんどいのではと思うのですが、日本と違い欧米の皆様はコロナ時代でもバカンスに盛大にGOしているようですから、音楽業界よりは痛手が少ないのでしょう。想像ですけれど。)

この560名のうち、自分をクラシック音楽家だとする人たちは41%。参加した人の60%以上が30歳以上で、音楽演奏が年収の80-100%を占めている人たちの割合は45%、60-80%が15%、40-60%が20%、20-40%が10%、20%以下が10%。兼業の人も結構いるが、専業の人も半分ぐらいいる。

●2020年8月から12月までの仕事は去年の同じ時期に比べ87%減少
●2020年8月から12月までの平均予約数は2件
●男性の方が女性よりも34%仕事が多く入っている(男性3.8件、女性2.5件)
●クラシック音楽の仕事が一番少ない(平均2件、ポップスは平均5件)
●50%の人が今年の予定なし(去年は平均27件)
●2020年3月以降、音楽以外の仕事に応募した人は40%
●2020年3月以降、予定されていた公演の中止により一人平均11,300ポンド(約159万円)の損失

英国もちょっとずつ音楽再開しているようなので、雇用と消費がまた少しずつ上昇していくと思いますが、まだしばらくは音楽家にも厳しい月日が続きます。