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ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート2021、楽団長が無観客の可能性を示唆

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートはウィーンの風物詩。世界90カ国以上にテレビ中継されます。チケット代金は超高額ながらも抽選で、当選確率は極めて低いと言われます。クラシック音楽のコンサートで最もチケットが取りにくいものの一つがウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。2021年はリッカルド・ムーティが指揮することになっております。

チケット代がどれだけ高いかというと、2021年の最高ランクが1枚1,200ユーロ(15万円ぐらい)だといえば驚いていただけますでしょうか。しかも今年のチケットは最高1,090ユーロ(14万円ぐらい)だったんで、値上げしてるんすよ。一気に110ユーロも。いやそもそも110ユーロっていうのが普通のオーケストラのコンサートの最高料金よりお高い料金ですやんか。それでも行きたいっていう人が押し寄せるのですから、やはりさすがだ・・・・。

当然日本からも「行きたい!」っていう方が多数おられるので、旅行代理店各社も毎年プランを用意しています。ときに正規料金を猛烈に上回る超高額。あるサイトでは一枚1,133,410円とありましたが、これはフライトホテル込みではなく、コンサートのチケット代のみのお値段でした。しかも偶数枚数でしか発売しないとあり、最低でも2,266,820円が必要。・・・うむ。

が、2021年の公演については無観客でやる可能性も高まっていそうです。楽団長フロシャウアー氏がその可能性を示唆した、と。

Wiener Philharmoniker: „Notfalls Neujahrskonzert ohne Publikum“
ウィーンフィル「必要に応じ観客なしのニューイヤーコンサート」
https://www.diepresse.com/5902330/wiener-philharmoniker-notfalls-neujahrskonzert-ohne-publikum

無観客ならどうなる?

①《美しく青きドナウ》の前奏でいっぺん止めてお決まりのセリフを言う「お約束」シーンが消える
②アンコールの《ラデツキー行進曲》の拍手が消える
そしてなにより・・・・③チケット代収入が消える。あああ!

どのぐらい収入が消えるのか、大雑把に計算してみましょう。1200ユーロが一番高い席とは言うものの、平均単価はどのぐらいでしょうか。仮に低めに半分の600ユーロを平均だとします。フルで販売したらウィーン楽友協会は2,854席ありますが、そのうち2,500席を販売しいてたとします(コロナだから販売座席数をもっと減らしていた可能性もあるかもしれません)。

600ユーロ×2500席×130円=1億9500万円。

なるほど・・・・。これはさすがに大きい。あと、あまり知られていませんが、ニューイヤーコンサートにはプレビューコンサートとジルベスターコンサートっていうのもありましてで、元旦の前日と前々日、つまり12月30日と31日にも全く同じ内容でコンサートをやるんですよ。値段はもちろん元旦より安い。元旦が無観客ならこちらも当然無観客もしくは中止になるはずなので、合計3回分の収入(3回分で4億円ぐらいでしょうか)が、消えてしまうかも、ということです。

ただ、テレビ中継は各国でされるでしょうし、「こんな時代だから」とスポンサーがむしろ普段以上にたくさんつくかもしれません。無観客となったとしてもチケット代金分が回収できるといいですね。