ミルガ、やめるって。さてリトアニア出身の指揮者ミルガ・グラツィニーテ=ティラMirga Gražinytė-Tylaは日本でどれだけ知られていますでしょうか。86年生まれなのでまだ34歳と非常に若い。来日したことが多分ないので、指揮している姿を見たことがある人はあまりおられませんでしょう。今後の登場に期待しましょう。
ちょっと悔しかった個人的な思い出を書きますと、その昔彼女がまだ無名だったころ日本に呼べないかと動いたことがあって、所属事務所のDr. Raab & Dr. Böhm (ラープアンドベームと自分は読んでおります)にコンタクトを取ったことがあるんですよ。残念ながらスケジュールが許さず来日できなかったんですよね。その時、ミルガはだめだけど、代わりにクリスティーナ・ポスカっていう指揮者がいるから彼女どう?と言われ、指揮していただいたことがあります。なかなかいい感じの指揮でした。ポスカさん元気かな。
というわけでミルガ・グラツィニーテ・ティラはバーミンガム市交響楽団の音楽監督を来年で降りることにしたそうです。22/23シーズンから首席客演指揮者へ。
https://cbso.co.uk/news/mirga-extends-contract
「個人的な理由」だそうで、ラトルの移動と同じ理由だ。個人的な理由とするのが流行りなのでしょうか。さっそく「ブレグジットのせい」といったコメント等が散見されますが、個人的な理由です。グラツィニーテ・ティラはザルツブルク在住らしいですから確かに行き来が面倒になるというのはあるでしょうけれども、
「いまは音楽監督という組織や管理に関する責任を負う職を離れ、純粋に音楽活動に専念したい」
ということだそうなので、大ざっぱに解釈すると「事務仕事は、今は、ちょっと」っていうことになりますでしょうか。2歳と0歳の子供がいて子育ても大変な時期だけに、そのように考えることも十分に理解できる。ワークライフバランスだ。
22年シーズン以降、誰が音楽監督を務めるのか?グラツィニーテ・ティラは22年以降どこかで新たなポジションに就くのか?これからいろいろ動きがあるのでございましょう。
さてその一方で、山田和樹は同オーケストラ首席客演指揮者の契約を延長、23年まで(2018年から務めている職)との発表もありました。おめでとうございます!
https://cbso.co.uk/news/cbsos-family-of-conductors
ってちょっと待った!22/23シーズンはグラツィニーテ・ティラと山田の首席客演指揮者が2名体制となるっちゅうことですか。3回ぐらいチェックしてしまったわ。同じ肩書の指揮者が2人いてもいいんでしょうか。いいんでしょうね、多分。
なんかこう、オーケストラの指揮者のポジション関係の名称って首席指揮者やら首席客演指揮者やら副指揮者やら正指揮者やら音楽監督やらカペルマイスターやらフレンドオブセイジとか、もうそれこそ色々あって、もうちょっとすっきりとした感じにならないのでしょうか、とも思うんですが、いろいろあってああなってそうなってこうなったのでしょう。
ヨーロッパの市場に食い込んで活躍するというのは至難の技ですが、山田和樹氏の今後のさらなるご活躍を期待致します。