ありがとうございます。
およそ1年ぶりぐらいに海外からアーティストをお迎えしました。名古屋フィル定期公演は大成功し、ご機嫌であんちゃんは帰途につかれました。
ウェブスターは入国からしてスムースでした。水際対策は緩められており、昨年ティモシー・リダウトの入国にあたっての大騒動がうそのように滑らかに物事は進んだのでした(あの時はまじくそめっちゃ大変だったんで)。
国際線の本数がめちゃくちゃ制限されていて、しかももともとロンドンからの直行便だったのが行きも帰りもキャンセルとなり、より時間のかかるフランクフルト経由にせざるを得なくなったりなど、まだ不便は残っております。コロナ前と全く同じようには行きませんが、入国も入国後も、かなりコロナ前に戻ってきている、戻ろうとしている様子がわかりました。完璧にコロナ前に戻り、さらにコロナ前よりもよくなる!!そういう時代が早く来ることを願っております。
さて、先週名古屋に滞在してシャチホコやういろうを体験した(ごめんなさい体験していません。気分転換の散歩以外はホテルに籠もって勉強していたようです)22歳の指揮者、アンガス・ウェブスターは、顔のお肌を見ますと確かにつやつや感がありまして(感想がまるでおっさんやな)、若いのだなと言うことを思い出させてくれるのですが、ゆったりと舞台に向かって歩く姿や、滑らかで淀みない棒の動き、がっしりとして地面に根が生えたようにぶれない上半身はまさに大家のような趣を醸し出しており「これは違う」感が大変ございます。
リハーサルでの話し方もゆっくりとしていて、わかりやすい言葉を選んでいて、とても20代前半とは思えなくて衝撃を受けたぜ。いやまじで。曲に対する確かなイメージを持っていて、的確に先輩音楽家たちに自分の考えを伝えていく感じは驚き桃の木(以下自粛)。
どうか皆様も自分が22歳だったときのことを思い出してみてください。22って言ったら新卒ですよ。もっとずっとふわふわしていて右も左も分からない、そんなんだったと思うんですよ。自分より年長のオーケストラの方々、ある人は倍近くあるいは倍以上の人生を生きてきた方々も前にまったく物怖じせず、しかも物腰柔らかくリハーサルを進めていく様を、これは違うな、やばいなと思いながら見ておりました。後で聞いたところによりますと、オーケストラメンバーの中で最年少だったそうです。
アンガスは来年も日本へ戻ってまいります。予定では2都市のオーケストラを指揮しに来ることになっておりますので、これからもアンガス、アンガス、アンガスと、アンガス・ウェブスターをどうぞご贔屓にお願いいたします。
昨日私も東京に戻ってきました。心地よい疲労であります。