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訃報:西澤新氏 ムジカテミス代表

昨日は、悲しい日でした。ムジカテミスの代表だった西澤新氏がおなくなりなったことを知ったのです。公式Facebookに投稿があり、それに気づいたのがお昼を食べた直後でした。

西澤氏とは仕事で何度もご一緒させていただきました。初めてお会いしたのはいつだったか。ぼんやりと考えていましたが、才気煥発チェンバロ奏者のフランチェスコ・コルティを日本に呼んで、成蹊学園の講堂でコンサートをしてもらったときだったように思います。あの公演は2015年12月でしたからいまから5年近く前ということになります。そのときに立ち話をしたのがきっかけだったかと思います。

氏がお呼びになったフィリップ・ビアンコーニ、フランソワ=フレデリック・ギィ、トリオ・ワンダラー、イスラエル・ゴラーニの来日公演に、私も関わらせていただく事ができました。トリオ・ワンダラーにはベートーヴェンのピアノ三重奏曲全曲演奏会をやってもらい(これは三鷹市芸術文化センターでした)、ビアンコーニにはフランス物のコンサート(これは小金井宮地楽器ホール)、そしてイスラエル・ゴラーニは武蔵野スイングホールでと、いろいろなホールで。バロックギターの演奏家を招聘するなど、なかなか常人離れしたセンスと繊細さをお持ちだと敬服しておりました。西澤氏はコルティとその後も連絡を取り合い、今年はイル・ポモ・ドーロと共に招聘されることになっていたはずです。

失礼を繰り返す若輩者の私にも別け隔てなく接していただき、飲みましょう飲みましょうと、都合3度、お食事もご一緒させていただきました。井の頭線沿いの中華、三鷹駅南口の餃子屋(南側の方)、武蔵小金井駅の居酒屋。ご自宅には何万枚ものCDがあるということでしたが、嫌味なところや知識をひけらかすような様子はまったくなく、純粋にクラシック音楽、演奏家、そしてクラシック音楽に関わっている人のことたちが大好きなんだなという事がよくわかりました。

お会いするときはだいたいいつでもニコニコ笑って、いやいや私なんか、とひょうひょうとお話をされるお姿をもう二度と拝見出来ないのかと思うと、ただ寂しい気持ちになります。

公式サイト:http://ms-tms.com/