Twitterに書いていましたが、一度に読めるように久しぶりにブログを更新します。
【リュビモフとの電話 3/30】1-3 「貴方は引退したのではないかと皆んなに聞かれるが?」と言うワンおばちゃんの単刀直入な問いに「自分もそう思っていた。サロンや、前から頼まれていた演奏会などの演奏はしていたが、ロシアのウクライナ侵攻が起きて黙って入られなかった。そこで発言をしようと思ったら1演奏会以外に発言や行動を起こすことができないことが判った。引退なんて言っておられない。正直弾けるうちに静かに去ろうと思い老後を楽しもうと思っていた。しかし、ここで何もしないのはこの歳までいかされた意味がないと思った。なんと言ったって自分にウクライナの血が入っている。和平の為に何を為すべきか。ウクライナの為のチャリティーコンサートもやった。でも一番重要なことはロシア人が自分の国が今何をやっているかを理解し、それがいけない事で、それを国民皆んなで止めなくてはいけないことを理解する事だ
【リュビモフとへの頼み事31/03/23】1-3 一昨日リュビモフとの電話はめちゃくちゃ長いものであった。ワンおばちゃんは長電話で、話題も次から次えと飛んでいって迷惑に思う人も結構いるようだ。しかし数年前に亡くなられたアビー・サイモンやバドゥラ=スコダとは1月に1回ぐらいの割合で長話をさせてもらい本当に貴重なお話をいっぱい聞かせてもらった。さて、今回ワンおばちゃんはリュビモフに「おねだり」をした。お手持ちの珍しいCDをMCSのコンサートでご寄付頂けないかと。リュビモフ10代の頃の中央音楽学校のアルトボレフスカヤ門下のクラスコンサートと写真にあるCDを持参予定。今回はチャリティーコンサートではないので、ウクライナの為に何か小さな事でもと、会場で特別販売することに致しました。MCSの会員にはMチケット(何処に座るかはミステリー)にもロンドン同様「くじ引き」がつきます。詳細は次回以降
【リュビモフとの電話 4/1】1-3数日前のリュビモフとの電話は2回に亘り2時間近くでここで書きたいことが沢山あり、ワンおばちゃんが忘れないうちにこの週末詰めて数回詰めて書きます。「civic resistance through culture”が貴方の大前提と言われますが、音楽で実際何かを変えることができますか?
リュビモフ曰く「反対に聞きます。それでは他に我々演奏家に出来ることがありますか?音楽と言う芸術の形を考えると「音楽」にしかできないことがあり、人々に寄り添って「気づき」を誘発することが出来ます。例えばシルヴェストロフの音楽はただ美しいメロディーではなく、何かに包まれた様な気がして我に戻り「ひょっとして」とか「これでいいのか」と自空の中に入り込んで、自分に向き合う空間を作ってくれる様な気がします。それが今この戦争をしているロシアや周り国々の人々に立ち止まって考え直す事を促すきっかけになればと願う
【リュビモフとシルベストロフ 4/5】リュビモフが台北の公演先から電話を掛けてきた。「そっちはどうですか」「Mmmm…“シルベストロフに捧ぐ”の17日は売れてませんね」とワンおばちゃん「150枚ぐらい?」「いや今やっと52枚行きました」「oh………」でもロンドンのウストヴォルスカヤの15名やヘルシンキの15名に比べればマシですよ」「そんな…..又貴方に損をさせてしまった」「日本には色んな神様がいますから。”貧乏神“だって一応神様ですから」「私の知っているアレクセイ・ボリソヴィッチはそんなチケットの売れ具合なんか気にしない人でしたが、いったい貴方はどうしたんですか」「Ummm.. 今回の来日は、と言うか現役復帰した理由はウクライナであり、弾き続ける原動力はシルベストロフとその音楽なのだ。だから、僕にはやらなければいけないことがある。貴方が是非にと言うからミックスプロを承諾した。僕が本当にやりたかったのはブラームスとシルベストロフだったのに。これでは本末転倒だ」と落ち込んだ感のリュビモフ。「今日、台北の初日なら、そんなことを考えないで今日のコンサートのことだけを考えて下さい。私は一度だって貴方にチケットの売り上げの話をしたことがありますか?」「そんな事客席を見ればすぐわかるではないか」「昔の貴方はそんなことは言いませんでしたよ」「最近、僕は生徒にもプロと言うのは呼ばれてなんぼと言うことを教えている。演奏で食べるとはそう言う事「アレクセイ・ボリソヴィッチ!私は私のアーティストに本当にやりたいことをやってもらいそして私も楽しみたい。私が会場で一番喜んでいる聴衆でありたい。そうすれば必ず喜んでくれる聴衆がいる。大切な人に一番美味しい食事もてなすように、貴方の演奏を皆んなに聞いて欲しいのです。だからチケットの事は気にしないで、貴方の話してくれた次のプロジェクトの事をもっと練っておいて下さい」と言った。ウクライナの為のチャリティー活動に勤しんでいるリュビモフは次から次へやりたいプロジェクトがありそれが出来なくなるのでは無いかと気にしているのである。リュビモフの声はまるで10年若返った様に嬉々として大計画を語る。ロンドン時代皆んなでバザーやワイン会で赤字を埋めながらアーティストの「やりたい事」を大切にして来たそれがMCSの理念である