6月16日は元ウィーン・フィルのコンサートマスター、ワルター・バリリの誕生日で、なんと今年で100歳におなりになった!うおー。なお私の誕生日も近くて6月13日です。44歳におなりになった。あっ、誰も私の誕生日には興味がない?失礼いたしました。
バリリ弦楽四重奏団というのもありましたね。3年ぐらい前、バリリ氏と親交のある翻訳家Oさんとバリリ氏の話が話題に出まして「まだまだ超元気なのよ」と伺っておりましたが、このたび100歳になられたということを知りました。極めておめでたいことだと思っております。ウィーン・フィルの退団が1973年ということですから既にそれから50年近い年月が経っているということだ。なんということでしょう。すごい!
ウィーン・フィルのSNSにもバリリおめでとうござんす、という投稿があり、現団長のフロシャウアー氏とのお写真が掲載されている。まだまだ矍鑠とされているご様子!
インタビュー動画も掲載されております。この動画はおそらく少し前(数年前?)に撮られたものだと思いますが、ご高齢でもしっかりとスーツを着てネクタイを着用しておられる。よきオールドファッションですなあ。
上の動画ではリヒャルト・シュトラウスの指揮について短く語っています。バリリ大先生がウィーン・フィルに入団したのは1938年で、コンサートマスター就任は1939年(蛇足ですが1909年生まれのヴィリー・ボスコフスキーが第2コンサートマスターに就任したのも同じ1939年、ボスコフスキーが第1コンサートマスターになるのは1949年)。リヒャルト・シュトラウスが亡くなるのは1949年なので、およそ10年はシュトラウスの指揮に接する機会があったわけです。
指揮者としても天才で鳴らしたリヒャルト・シュトラウスの指揮法は「超省エネ」で知られているんですが、こうして実際にその指揮にコンサートマスターとして接した人の言葉というのは大変印象深く心に残るものだよ(古文の書き下し文風に)。
「左手は例の大きなポケットにいつも入れていた。基本的に座って指揮したが、特に大切な部分に差し掛かると左手をポケットから出し、立ち上がったんだよ。そういうときはいつも、オーケストラが解き放たれたような音を出した。しかし基本的にシュトラウスの指揮姿は落ち着いていて、いつもポケットに手を入れながら指揮した。彼の指揮は毎回毎回が素晴らしい経験だった。」
Oさんが訳されたバリリの自伝「ウィーン・フィルとともに」はクソ面白いので、この記念すべき100周年を祝って皆様もぜひご一読を。