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アメリカ有数のパイプオルガン工房が火事で全焼

Photo: Kimmel Center for the Performing Arts

アイオワ州の著名なオルガンビルダー、Dobson Pipe Organ Buildersの工房が今週の火曜日、火事で燃えました。

放火とかではなく、原因は換気扇の不調によって火花?が出て、それがおがくずに引火したのではということだそうです。火災発生時、同工房にとって99台目となるオルガンをシドニーの聖ジェームズ教会のため製作中だったが全損とのこと。従業員1名が火を消そうとしてやけどを負ったが、死者は出なかったのは不幸中の幸い。

この会社の最も大きな作品はフィラデルフィアにあるキメル・パフォーミング・アーツ・センターのヴェライゾン・ホール(=2500席あるフィラデルフィア管弦楽団の本拠地。上記画像)に設置された巨大なパイプオルガンで、2006年に完成したもの。完成当時、アメリカのコンサートホールに設置されたオルガンとしては最大のものだったそうです(教会とかアリーナとかをいれるともっと巨大なオルガンがあります)。

その金額は620万ドル(6億8350万円ぐらい)、総重量はなんと32トン!!パイプオルガンが「キング・オブ・インストラメント」(楽器の王様)と言われるゆえんであります。でかい、重い、高い!ピアノのフルコンサートグランドがたった2000万円で買えることを考えますと、大人と子供のような差があります。

この巨大オルガンの製作には8年の歳月、20人の従業員によるのべ52,000時間以上が費やされた。完成当時アメリカのコンサートホール中最大のオルガンであったのみならず、世界のコンサートホール全体で見ても47番目の大きさだった。いまはもう少しランキングを落としているようですが、大きなオルガンを作る技術を持っている会社であるということがわかります。

火災によってその技術が失われないことを願います。いや、むしろオルガン製作者の執念と熱意ですべては元通りもしくはそれ以上にパワーアップして帰ってくるのに違いない。グレート・アメリカ!!