ズービン・メータが1985年より長く率いてきたフィレンツェ五月音楽祭は、五月とか言っておきながら「だいたい通年でやってるんよ」っていうことだけは内緒にしておいてほしい。
そもそもの出発点としては五月ぐらいにやる音楽祭だったっぽいんですけど、気がついたら一年中やってるわ、みたいなことですか。1933年に始まったんだから、既に90年近くやってるんだから、トライアンドエラーで試行錯誤してついに気がついたら一年中やってることになったから、ってことですか。年中やってる、ってもはや「祭り」という言葉から完全に外れていってますが、まあ楽しけりゃええのよ。細けえこたあいいんだよ!
すいません不勉強なんでよくわかってないんですけど、多分そういうことで大方間違いないと思いますよ(細かいことを気にしないやつ)。
現在のこの音楽祭の総裁はアレクサンダー・ペレイラさんで、知る人ぞ知るオーストリアのおっちゃんです。外交官の息子で、ウィーン生まれ。事務機器メーカーで12年務めたのち音楽の方面に転身、ウィーン・コンツェルトハウスの事務局長→チューリヒ歌劇場総裁(黒字化に成功!)→ザルツブルク音楽祭芸術監督→ミラノ・スカラ座総裁→2019年からフィレンツェ5月音楽祭(通年だがな!)総監督、とまあ控えめに言って華々しい経歴の持ち主。
で、1985年から首席指揮者を長く務め、いまは終身名誉指揮者を務めるズービン・メータも高齢だし、そろそろ後任がみたいな話になったのでしょう。ノセダ(指揮者)のSNS投稿では車椅子に乗っているし↓
Thank you dear maestro Zubin Mehta for attending Giordano "Siberia" final dress rehearsal!@maggiomusicale #RobertoAndò pic.twitter.com/yC2ApdNma9
— Gianandrea Noseda (@NosedaG) July 5, 2021
白羽の矢が立ったファビオ・ルイージとはうまく行かずあっという間に辞任してしまった。そしてこのたびダニエレ・ガッティが音楽監督に就任することとなりました。
とりあえずはメータとガッティの2名体制でやることにして、様子をみながら徐々にガッティだけが独り立ちしていく、という形になるのでしょう。ガッティにはセクハラ問題もあって(2018年にロイヤル・コンセルトヘボウ管を一発首になっている)、いきなりスッと音楽監督に就けるには批判もあるかもしれないから、という配慮があるのかもしれません。ルイージとうまくいかなかった前例もあるし、ということもあるのかも、何事も変更は徐々やるのがええんですよってことか。
ところで今夜この音楽祭ではズービン・メータがバレンボイムをソリストに迎えてブラームスの交響曲第3番とピアノ協奏曲第2番を演奏することになってるんですよね。
ほーん、と思ったあなたに衝撃の事実をお伝えしようではないか。「終演後、ホールとロビーに大スクリーンが設置され、ユーロの準決勝スペイン対イタリアが観戦できます」
まじか。さすがイタリアや・・・・!ヴィヴァ・イターリア!!