アテネのコンサートホール「メガロン」のオープンにあわせて1991年に設立されたカメラータ・アテネは、モダンと古楽を自由に行き来するアンサンブル。いつかは知らないがアルモニア・アテネアと改名し、国際的に活動をつづけていたが、今週突如として解散。30年の歴史に幕。
https://www.diapasonmag.fr/a-la-une/l-orchestre-armonia-atenea-a-ete-dissous-34092
え?アルモニア・アテネア?知らないね?とおっしゃるそこのあなた、勉強が足りない!!(むしろ知ってるっていう人の方がマニアックすぎるので心配はご無用)
アルモニア・アテネアはギリシャ国内で活動するのみならずウィーン楽友協会、シャンゼリゼ劇場、アムステルダム・コンセルトヘボウ、チューリヒ・トーンハレなどヨーロッパ各国のメジャーなコンサートホールで演奏してきた。ザルツブルク音楽祭やBBCプロムスなんかにも出演しているし、メニューインやロストロポーヴィチ、アルゲリッチ、バシュメット、カヴァコス、ルプーなんかと共演してきた。CDはデッカやソニーやグラモフォンからからバンスカ出ていた。いわば国を代表するレベルの国際的なアンサンブル。音楽監督はジョルジュ・ペトルーが長く務めた。
しかし何と言ってもバロックオペラでチェンチッチやファジョーリなんかと共演し録音をリリースしているというのがよく知られているでしょうか(繰り返しますが知っている方がマニアックなのでご安心ください)。チェンチッチは第一義的にですね、名前の響きがいいんで大好きなんですよ。生で聴いてみたいですね。チェンチッチがアルモニア・アテネアをバックにハッセを華麗に歌っているこの動画ご覧ください。
解散についてはギリシャ政府が月曜日に発表。楽団員と事務職員は他の公的な文化機関へ転職の希望を出すことが出来るそうです。たしかギリシャって公務員の数がやたらめったら多いんですよね。それでいろいろ問題になっていたかなと記憶しておりますがそういうのも関係あるのか。
文化大臣によりますと「非常に重要なオーケストラだったが、精算が必要だった」。長年にわたる経営難に耐えきれなくなったということです。2015年には社会保険料と税金の未払いを起こして取締役が辞任するという事件もあったそうです。もともと苦しかったところに、長引くコロナでいよいよあかん、ということだと推測いたします。
今年9月にはバイロイト・バロック音楽祭にも登場予定になっているけどこれどうするんでしょうね。解散が決定、ではなくて既に解散したっぽいからダメなんと違うか。
チェンチッチが演出するポルポラの歌劇《禿頭王シャルル》。出演者が豪華でファジョーリ、チェンチッチ、レージネヴァほかやぞ。うおー。
https://www.bayreuthbaroque.de/events/carlo-il-calvo-1-en/
いま大至急で話し合いが進んでいるのでしょう。
すべての団体には寿命がある(明日は我が身)。