広島と長崎に原子爆弾が投下された事を日本人の我々は決して忘れてはいけません。そしてそれは次の世代に確実に伝えていかなければならないことだと思っています。我が家の息子ちゃんらにも、原子爆弾とはなにかを、まだ早いかなと思いつつお話をしました。原子爆弾ってなんなの?戦争ってなんなの?と無邪気に聞いてくるけれど、自分たちも子供の頃こうして親に教えてもらったのだろう。
イスラエル人のアムノン・ワインスタイン氏は1939年生まれ。父はヴァイオリニストでヴァイオリン製作者でもあった。父のリトアニアの親族およそ400人がホロコーストで亡くなっている。
アムノンさんはホロコーストで亡くなった人、あるいは生き残った人たちが所有、演奏していた古いヴァイオリンを1980年代より修復してきた。直した楽器は90台を超えるという。そのうちおよそ30台が今年の夏から秋にかけアメリカのリッチモンドで展示されている。「希望のヴァイオリン」と名付けられたプロジェクトがあり、どうやら毎年?どこかで展示が行われているらしい。知らんかった。
https://www.thebeaconnewspapers.com/historic-violins-tell-stories-of-pain-hope/
この仕事を始めたきっかけは、ホロコーストを生き延びた後ほったらかしにしていた楽器を孫のため修復したいという依頼だったとのこと。楽器を開けてみると中から黒い粉が出てきた。それは灰だった。依頼人の男性はガス室に向かう大人や子どもたちのために演奏をしていたのだ。家族、親族、親しい友人などがガス室に向かって歩いている最中も彼らは演奏しなければならず「祈ることはできなかった、代わりにヴァイオリンが祈った」。
またある楽器には乾燥した花が入っていた。かくまっていたユダヤ人少年が持っていた楽器で、ある日少年は家を出たきり二度と戻ってこなかった。その花は少年の思い出として入れられたものだという。
リヨンのヴァイオリンと名付けられた楽器がある。アウシュヴィッツに送られる列車がリヨンの市街を通過する際、自分が行き先でヴァイオリンを弾けないことを知っていて、誰かがその楽器を拾って演奏してくれることを願い、列車から投げ捨てられたものだという。
きっとそれぞれの楽器に震えるようなストーリーがある。展示されているヴァイオリンのうち、ダビデの星(ユダヤを象徴するしるし)がはめ込まれたものは20台ある。