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ヴィルデ・フラング、グァルネリ・デル・ジェス「ロード」(1734)を貸与される

ノルウェー出身、いま若手でも最も輝いているヴァイオリニストの一人、ヴィルデ・フラングは1986年生まれ。そうかそんなに若かったか。身長が高く手足が長い。特に腕が長かったのをよく覚えています。長いなーうらやましいなー、でも腕が長すぎてかえってヴァイオリンが演奏しづらいなんてことはないのだろうか?とさえ思ったほど。

これまでジャン=バティスト・ヴィヨームの楽器を演奏していたそうですが、このたび1734年製のグァルネリ・デル・ジェスを貸与されたそうです。

https://www.thestrad.com/news/violinist-vilde-frang-granted-use-of-1734-rode-guarneri-del-gesu/13446.article

https://www.beares.com/violinist-vilde-frang-granted-use-of-the-1734-rode-guarneri-del-gesu/

デル・ジェスなにそれ、という方のため書いておくと、製作者の名前。ただし本名じゃなくてあだ名です。言ってみたら「コルシカの鬼」とか「土佐の出来人」とかそういうやつ。「イエスのグァルネリ」ってことで、なんでそういう名前がついたかと言うと、自作品のラベルにIHSって書いてたから。Iesus Hominem Salvator「救世主イエス」の略語とかそうじゃないとかいいますが、とりあえずこれが定着していて、とにかく激烈有名で目が飛び出るぐらい高価、ストラディバリウスより高値で取引されることもあるってことを覚えておけばOK。いろいろ覚えないかんな。

今回貸与された楽器は「RODE」という名前がついていて「デル・ジェスのロード」と、あだ名マシマシとなっております。このRODEという名称はどっから来たかと言うと、ピエール・ローデ(ロード)。ヴァイオリンをそこそこ習った方にはピンと来るのでございましょう。「24のカプリース」という作品を書いたヴァイオリニストで作曲家。ベートーヴェンとほぼ同世代(ロードが4歳若い)のフランス人。この人がかつてこの楽器を使っていたから。たぶん。

専門家の説明によると1730年代に作られたデル・ジェスの楽器のうちでも最も素晴らしいものの一つなんだそうです。なにがどうすごいんか、その微妙な違いはヴァイオリン弾けない私が聴いても絶対わからない自信があるけど、きっとすごい音がするんだよ。

この楽器はロード、フラングのほかチョン・キョンファ、それからノルベルト・ブレイニン(=アマデウス弦楽四重奏団の創設者)が演奏していたそうです。