オデッサ劇場の公演はすべて中止。ヴェルディの《アイーダ》、《イル・トロヴァトーレ》、それからチャイコフスキーのイオランタ。歌手たちは応急措置やライフルの使い方を学んでいるのだそうです。そして13日にはオペラ座の前で団員たちがオペラ《ナブッコ》の『行け、我が思いよ、黄金の翼に乗って』を歌った。
オペラ《ナブッコ》はヴェルディの名前を飛躍的に高めた大成功作で、この合唱曲はイタリアでは広く知られる、むしろ国歌以上の知名度とも言われるもの。愛国心が高まった時などにしばしば歌われるものです。ロシアはウクライナ南部のヘルソン州を制圧したと発表がありました。ヘルソン州の西に面するのがムィコラーイウ州、そしてその隣がオデッサ州。オデッサにも危機が近づいている。歌が沈黙させられることがないことを祈るのみです。
上の画像はキエフポストによる以下ツイートの画像です。1942年のオデッサ歌劇場、そして今のオデッサ歌劇場の画像を並べて掲載したもの。オデッサは1941年10月から44年4月までナチスの占領下にあり、市民28万人が虐殺されたそうです。