リヒャルト・ワーグナーが最後に住んだのは、バイロイトで、ヴァンフリート荘(上の画像)と呼ばれる建物でございました。質実剛健といった言葉が似つかわしい、四角いいかにもドイツドイツしたドイツの建物です。1874年から死去する1883年まで(ただし亡くなるのはヴェネツィアで、心臓発作で)。
そのヴァンフリート荘はナチスが利用したりしたことなんかもありますが今は大切に保存されていて、見学も可能。その隣にはワーグナー博物館がある(たぶん、上画像の右側に見えてるガラス張りのモダンな建物がそうなんじゃないかな?)。そこでなんとアクシデント。3月18日金曜日の午後。水が漏れておそらく4000冊もの本が濡れてしまったというのです。保管されていた本はおよそ12000冊あり、その3分の1に達する。正確な数字はわからない。
お土産物の本の類なのか(=ダメージはそれでも大きいが再印刷することは可能)、あるいはウルトラ貴重な自著とかオリジナルの楽譜とかそういう再生不可能なものなのかは記事を読む限り不明ですが、不幸中の幸いであることを願います。なおヴァンフリート荘にはおそらく被害が及んでいない。
何が起こったのかというと、洪水とかではなくて、庭に水やりをした後の出来事だったのだとあります。水漏れとか排水口がふさがっていて逆流?的なそういうトラブルだったようで、機材のトラブルなのか、人為的なものかどうかも不明で、とりあえず誰か犯人を突き止めようとかそういう意図はなくて、復旧にまずは全力を注ぐと。
いやー、ヴァンフリート荘って行ってみたいところのひとつなんですよね。お金をね、ルートヴィヒII世に、そう大金をね、ださせてね・・・。建築にいったいいくらかかったのか。ルートヴィヒ2世は土地と建物で最大1億1250万円(2500ターラー)まで払うと約束をしていて、それを超えてきたことはまず間違いがないんで、軽く1億円を超す金額がこの建物の建築には注がれたわけです(ワーグナーはとにかく贅沢好きだったから)。
なおヴァンフリート荘は2010年には2000万ユーロ(およそ31.6億円)かけて修復されている。繰り返しになりますが、ヴァンフリート荘ではなくて、お隣の建物の地下が水浸しになった模様。