ドイツのベルリン・フィルハーモニーで、ウクライナから避難してきた音楽家たちによるコンサートが開催されたそうです。Mriya(ウクライナ語で「夢」)と名付けられたこのオーケストラのメンバーはおよそ30名。3月半ばにはすでにカルテットとしてコンサートを開催し、いろいろな人達の支援を受けながらドイツ国内で(そのうちに他の諸外国でも演奏するのかもしれません)活動を始めていて、5月10日に象徴的なコンサートと言ってもよいでしょう、ベルリン・フィルハーモニーでコンサートを開催したとのことです。
https://www.dw.com/en/exiled-ukrainian-musicians-create-orchestra-in-germany/a-61745136
ウェブサイトもすでにあって、そこを見ますと少しずつですが活動を活発化させている様子がわかります。
ほぼ女性で構成されているのは、男性が国のために戦っているから。彼女たちは「いわば文化戦線で戦っている、それが私達の仕事」というわけです。男性の音楽家も出国して参加することを願っているそうですが、それは簡単なことではないとのこと。男性が出国できるのは「音楽活動が武器を使うよりも役に立つ場合のみ」で、それ以外の理由で出国が認められることはないのだそうです。
最近の戦争の状況を見ておりますと、長期化し、より困難な状況になりそうな様相を呈しています。この戦争はそう簡単には終わらなそうな雰囲気を感じています。そうなると大変になってくるのが、世の関心を引き続けること、です。最初は「大変だ!助けないと!」と思った人たちも、やがて「ああ、まだやっているのか」となっていくのは残念ながら明らかです。飽きっぽいと言われる日本だけでなく世界的にそうなのだと聞いています。そのうちウクライナの音楽家だけ優遇されてずるい、みたいな声も出てくるかもしれません。関心を持ち続けてもらうため「戦争が深刻な状況であり、ウクライナの人たちがどうしても助けやサポートを必要としていることを示すことが重要なのです」と指揮者のマルガリータ・グリニヴェツカ(オデーサ国立歌劇場指揮者で最近Mriyaに加わった)は語っている。
ベルリン・フィルハーモニー公演はすべてをチャリティで開催している。ホール代もちゃんと11,000ユーロを払って開催している、と書いてありました。
ベルリン・フィルハーモニーは11,000ユーロ(146万円ぐらい)なんだ、東京のホールと比べてもリーズナブルかも、と関係ないところでなるほどなるほどと思ったりもしましたが、146万円を払うのは簡単なことではないし、さまざまなところからサポートを得ているとはいえ、大きなリスク、賭けだったでしょう(かかる費用をチケット代や寄付金で回収できるのかというリスク)
彼らの活動から生まれる利益はすべてウクライナ支援に回される、戦争犠牲者の医療支援に使われるそうです。またウクライナ人であれば全員無料で入場できるのだそうです。
今後もまだまだ支援が必要であろうウクライナ人たちのために何ができるのか、音楽業界にいる私たちはとりわけウクライナの音楽家たちのため何ができるのか、引き続き考え続けて行きたいと思いますし、我々にもできることを実行に移して行きたいと思っています。