コンサートでのステージ衣装。これについては燕尾服やタキシードを着るもの、という時代は終わりになりまして、ホロヴィッツのボウタイとか大好きですけど、今はみなさま、もっとバラエティに富んだ格好をされていますね。
ジャケットは着用するがもっとラフだったり(えらいジャケットの裾が短かったり、ピタピタだったり)、ジャケットは着用せずワイシャツのみだとか、胸元をはだけジーザスの大きなネックレスをしたポルトガル人とか(誰だ!!あなただ!!)、さまざま。まあこれっていうルールはもうないから、裸とかじゃなけりゃまあなんだっていいよね。
私も若かった頃はファッションはそれなりに頑張っていまして、あるコンサートに全身ワイズで固めて出た事もありますが、黒いティーシャツ姿だったためあとから主催者に怒られました。ワイズとか懐かしい。もういまやほぼ全身ユニク・・・いえ、ごふっごふっ。なんでもありません。
時代とともに服装も変化するわけだ。楽器や楽曲は変わらないだけに、ファッションだけが変わるというのも妙な気もいたしますが、まあそういうものなのでしょう。昔は紳士は中折れ帽をかぶり手にステッキを持ったりしていましたがいまや帽子にステッキなんて格好してたら浮きまくりボンバーですからね。
昨日はアレクサンドル・スクリャービンの誕生日だったようで、Facebookをぼんやりと眺めておりましたら複数の方々がお誕生日おめでとう的なコメントを出されていまして、死者に対してお誕生日おめでとうっていうのも奇妙な気がすると思うのですが、そんな感情もまた時代とともに薄れて行く?のかもしれません(単に宣伝材料として使われているだけ、と言うと嫌味が過ぎますでしょうか!!)。
その中で個人的に特に気になった映像がこれ。ダニール・トリフォノフがスクリャービンを演奏しているやつ。
白い半袖Tシャツにスニーカー、ニット帽。おいおい、まるで自宅で練習しているような格好だ。スクリャービンもまさか自作がこうして公の場でTシャツ&スニーカーで弾かれる日が来るとは思わなかったでしょうなあ。っていうかそもそもスクリャービンの時代にTシャツなんてあったのか。あったとして下着っていう感覚ですかね。
んまあ下品な!と思うのは古い人間であることを証明しているのでしょう。それで何が悪い、という世代が増えたらそれでオッケーなのだ。たぶん。テキトー。
ちなみにドレスコードについては、意外なことに(?)アメリカの方が厳しくて、特に田舎の方では「ラフな格好でどうぞ」っていうようなパーティーとかに本気でジーパンとかで行くと自分以外全員タキシード着てた、なんつってすごい恥ずかしい思いをするようなこともあるんだそうです。日本の就活事情よりもこわいかもしれない。くわばらくわばら。
最後にスクリャービンがらみで宣伝させてね。「スクリャービンを弾かせたら爆発的にすごい」「記憶に永く残るスクリャービン」「衝撃的なスクリャービン」「ただただ本物のスクリャービン」「深すぎるスクリャービン」とワンおばちゃんが諸手を挙げ絶対的にプッシュするピアニスト(もちろんロシア人)が今年の6月10日(水)に銀座のヤマハホールに降り立ちます。もちろんプログラムはオールスクリャービンを予定しておりますので、ピアノファンの方、全世界のスクリャービンマニアの方(一体何人いるだろう)、どうぞお楽しみに。詳細は近日。
実際に演奏を聴いたことがない私も大変楽しみにしております。