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bachtrack、2019年を振り返る。最も演奏された曲トップ10とは

bachtrackという英国のサイトがありまして、日本でいうところのぶらあぼとかそういう雑誌に近いかなと思いますが、目立つ違いとしては、ぶらあぼがコンサートの前宣伝に注力しているのに対し、bachtrackの方はコンサートのレビューも星付きで書かれているところでしょうか。自分が行ったコンサートをプロたちはどういう視点でみたのか、ということがわかるのだ。それを読むことで広い視野を持てるし知見を深めることもできる。丁寧なbachtrackの読者ではないので適当なことを書いていますが、間違っていたら指摘して下さい。

さてこのbachtrackは毎年1月に、前年のコンサートの統計をとっています。今年もそれが発表されました。もちろん、「彼らが把握しているコンサート限定」ですが、総数はコンサートだけで20,535公演とありますからなかなかなもので、世の中全体の傾向を知ることが出来る、と言ってまあおよそ差し支えないのではないか。変化の歩みは重いが、確実に変化はしている、のだそうです。

日本のコンサートは変化に乏しい、と最近ロンドンの大手事務所の人に面と向かって言われましたが、都内オーケストラの公演とか見るとかなり冒険していると思うけどな。

で、とりあえずそのbacktrackの統計によりますと、昨年もっとも演奏された曲はベートーヴェンの「英雄」。やっぱりこういうのですよね。英雄って長いからあまり聴く気になれないんだけど・・・・って個人的な感想はどうでもよくて、トップになっているというのはやはりそれだけニーズがあるもしくはニーズがあると思われている、ということでございましょう。ちなみに統計の全部はここにありますが、トップテンは以下の通り。

1ベートーヴェン:英雄
2チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
3チャイコフスキー:交響曲第5番
4ヴィヴァルディ:四季
5ヘンデル:メサイア
6ムソルグスキー:展覧会の絵
7ブラームス:交響曲第1番
8ブラームス:交響曲第2番
9ベルリオーズ:幻想交響曲
10メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

ふーん、なるほど。メサイアが上に入っているのは不思議だなと個人的に思いますがキリスト教文化でありますヨーロッパにおいては重要なレパートリーなのでしょう。いずれにせよまあなるほどという内容で、1位から10位までが適当にシャッフルされて並び替わっていても、そうかもねと大体の人が納得するリストとなっております。

これを退屈だと思うか、正しいと思うか。まあこのリストが今後大きく劇的に変わるということはないのでしょうけれど、少しずつ変わっていくのでしょうか。なお今年はベートーヴェンがかなりを占めることが予想されます(今年はベートーヴェン生誕250年につき世界中でベートーヴェン三昧が予想される)。

あとこの統計には人気女性指揮者と女性作曲家のリストもあって、日本ではなかなかこういうのは話題になりませんけれど、ヨーロッパでは非常に重視されているのだろうな、という思いを新たにいたしました。日本ではクラシック音楽に限らず女性の活躍が遅れていると言われております。日本でも女性指揮者、女性作曲家の皆様の今後のご活躍に期待したい。

なおピアニストの第1位はユジャ・ワン。女性がトップとなっております(コンサート回数で1位、という意味らしい)。

統計全部を見たい方は以下から:
https://bachtrack.com/handler/file/view/157952/54000/33