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「科学者から合唱団へ:CDCが何と言おうが合唱はコロナウィルスを拡大させる可能性がある」ロサンゼルス・タイムズ紙

ロサンゼルス・タイムズ紙、6月1日(月)付の記事です。上のタイトルの通りです。

科学者から合唱団へ:CDCが何と言おうが合唱はコロナウィルスを拡大させる可能性がある
Scientists to choirs: Group singing can spread the coronavirus, despite what CDC may say
https://www.latimes.com/world-nation/story/2020-06-01/coronavirus-choir-singing-cdc-warning

CDCというのは《アメリカ疾病予防管理センター》のことです。CDCが「合唱は危険」という一文をトランプ大統領の意向に沿って削除したようだが、科学者たちはそれを疑問に思っている。

なんのことかと言うとトランプ大統領が出した「教会の再開要求」のことを指しています。日本語で読むならNHKのニュースとかですね。礼拝では歌いますしね。ゴスペルとかもありますしね。天使にソーシャルディスタンスでラブ・ソングを。もしくは、ウーピー・ゴールドバーグ(SD)。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200523/k10012442081000.html

というわけで上のロサンゼルス・タイムズをなんとなく訳していきます。このロサンゼルス・タイムズ紙の記事の主旨は「合唱の前後の談笑やらティータイムやらお片付けの時間やらだけが危険なのではなく、部屋で歌うことも危険」とかいうことになりますでしょうか。

また政府に対する政治的な牽制の意味合いも多かれ少なかれ含まれているかなと思います。アメリカと日本との状況は全然違う、ということも理解した上でお読み下さい。

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CDCに掲載された「歌うことはコロナウィルスの拡散に貢献する」という一文が削除された。これはトランプ大統領が宗教的活動は不可欠だとしたことによる。だがコロラド大学でエアロゾルを研究している化学者ホセ・ヒメネス教授によるとそれは「extremely dangerous and irresponsible」(非常に危険で無責任)、「will put people at risk of additional super-spreading events and slow down the containment of the epidemic」(人々をさらなる超拡散のリスクにさらし、流行の封じ込めを遅らせることになる)。

メリーランド大学のバイオ・エアロゾル研究者であるドナルド・ミルトン教授:「This is very hazardous, and we really need to not be getting together to sing」(これは非常に危険であり、一緒に歌うために集まるのは本当にいけない)

なお今回の削除についてホワイトハウスはコメントを拒否、CDCと保健福祉省からは回答なし。

コロナ患者の咳によって発生するエアロゾルにどれだけのウイルスが含まれているかはまだ分かっていないが「one study under peer review estimates that someone standing and speaking in a room could release up to 114 infectious doses an hour.」(現在検証中の研究によれば、部屋の中で立って1時間しゃべる、という行為が、最低感染量の114倍のウィルスを放出する可能性がある。)

※114インフェクシャスドーズっていうのをいまいちすっきり理解できていなくて、上のように訳していいのかどうかは不明なんですけど。間違ってたらすいません。ご指摘下さい。

オーストラリアのエアロゾル研究者であるリディア・モラウスカ氏:WHOは空気感染の可能性を低く見ているが、「 WHO’s conclusions stem from decades-old dogma that held that droplets only travel an arm’s length in the air. “There’s absolutely no basis for the statements made by the WHO」(WHOの結論は、飛沫は空気中を腕一本分の距離しか移動しないという何十年も前のドグマ[独断、教義]に由来するもので、WHOの発表には根拠が全くない)

ヒメネス教授:スカジットバレーのケースでは手指消毒剤を使用し、楽譜は自分のものを使用、ハグや握手は避けていたにも関わらず1人から大量の感染者を生み出したという事を考えれば、接触やものの表面に触れるという行為だけでこれほど感染が拡大したとは考えづらい。「Explanations other than airborne transmission are improbable, “especially when it’s happening in choir after choir after choir」(特に合唱団でばかり次々起こっている事を考えると空気感染以外の説明はつきそうにない。)

https://mcsya.org/skagit-valley-case-choir-cluster/

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【まとめてあります】合唱とコロナに関する当ブログの記事一覧は以下ページにまとめてありますので併せてお読みください↓

https://mcsya.org/list-corona-and-choir/