これは最強やなと思ったんですけれど、昨日ピーター・ゲルブ大先生（メトロポリタン歌劇場の総支配人）がZOOMで発表したところによりますと、メトロポリタン歌劇場が新しく有料配信を始めるそうなんすよ。

https://www.metopera.org/user-information/met-stars-live-in-concert/

それというのも、トップ歌手たちが名曲を歌うねん、っていうまあ、それだけ聞けばありがちな話なんですけど、まあ最後まで話しを聞いてくれよ。それぞれ違う場所から歌う、しかもおうちとかホールとかではなく、各国の有名な教会とか美術館などから歌うんだそうですよ。おおぅ！！これ読んで興奮しないやつがいるか。

ビジュアル面、よく考慮されていて、自動カメラが会場内に複数配置され、ニューヨークで操作、ミックスされてそれが個人のデバイスに流れてくるというわけ。安心してくれ。メトライブをやっている監督が手掛けるそうなんで、クオリティは担保されている。歌手の休憩中はニューヨークに画像が切り替わってホストがおしゃべりするからそこでダルダルってなる心配もせんでええわ。

●日程と出演者と場所ね：

7月18日 ヨナス・カウフマン（ポリング修道院、バイエルン [ドイツ] ）
8月1日 ルネ・フレミング（ダンバートン・オークス博物館、ワシントン州 [アメリカ] ）
8月16日 ロベルト・アラーニャ＆アレクサンドラ・クルジャク（シャトー・ドゥ・ラ・シェーブル・ドール、エズ [フランス]）
8月29日 リーゼ・ダヴィドセン（オスカーホール城、オスロ [ノルウェー] ）
9月12日 ジョイス・ディドナート（サン・パウ病院、バルセロナ [スペイン] ）
9月26日 ピョートル・ベチャワ（バルセロナ[スペイン]、場所未定）
10月10日 アンナ・ネトレプコ（リヒテンシュタイン庭園宮殿、ウィーン[オーストリア]）
10月24日 ディアナ・ダムラウ＆ジョセフ・カレヤ（マルタ島の城 [マルタ共和国]、場所未定 ）
11月7日 プリティ・イェンデ＆ハヴィエル・カマレナ（チューリヒ[スイス]、場所未定）
11月21日 ソーニャ・ヨンチェヴァ（ベルリン[ドイツ]、場所未定）
12月12日 ブリン・ターフェル（ウェールズの教会[英国]、場所未定）
12月19日 エンジェル・ブルー（ニューヨーク[アメリカ]、場所未定）

これは・・・唾ゴクリ。「コロナだからこれぐらいで我慢しとかなしゃーないな」というレベルを確実に軽々と超える。たぶんこれ出演者の住んでる国、住んでる場所の近くなんやろうなと勝手に想像しているんですけど。ディドナートってバルセロナにおうちがあんの、とかそういう野次馬根性的好奇心も満たされる不思議な構図となっております（全然ちがったらすいません）。サン・パウ病院ってなに？とかめちゃめちゃわくわくしながらググったぜ全く。ふう。

いやそれにしてもスケールが壮大。お金がかかっているね。普段でさえなかなか行くことが出来ない所を、ビューティフルな声楽つきで観る、という非常に秀逸なやつですわ。古い建物大好きの俺らホイホイですねこれ。ホイホイ言って見に行くわ。

視聴は1回20ドル、オンデマンド12日間

有料、1回あたり買い切り20ドル。もちろんアメリカとヨーロッパの時間にあわせてあって13時ET（東部時間）スタートらしいんで、生放送を観たければ日本は真夜中です。午前3時かな。オンデマンド配信もあって、12日間。

まずはヨナス・カウフマンがバイエルンからでピアノはヘルムート・ドイチュ。しかも曲は「誰も寝てはならぬ」「星は光りぬ」「花の歌」ほか。おいおい、黄金の名アリア過ぎる。最初からこんなに飛ばしていいんかい？レパートリー足りなくならない？

1回のコンサートは休憩無し70分でおさめるそうです。このあたりコロナを少し感じますか。

メトがやった過去の映像無料配信っていうのはサーバーが落ちるほどアクセスが殺到したらしいんですよね。有料になったらアクセス数は落ちるでしょうけれど、それでもかなり見込んでいるんじゃないか。20ドルを1000人が払えば約200万。でもうーん、こりゃ少ないな。一回あたり1000万円ってのは言い過ぎかもしれないけど、最低でも500万ぐらいはかかるんと違うかな、って思うんですよね。2500人、集まりますでしょうか。いや、でもマーラーのために10万ドルとかすぐに集めちゃうアメリカのことだから、寄付も殺到してそう。多分大丈夫（100年以上昔の話を持ち出すやつ）。

ところで、カウフマンとかアラーニャとか名前をみててふと不安がよぎったんだが、いつもみたく「やっぱ歌わない」爆弾が開始直前に炸裂したらどうするんですかね。無名のカバー歌手がひかえていて「そんだらば、えー、不肖私めが・・・・」ってことになるん？