ただいま41歳、若きラトビアの指揮者アンドリス・ネルソンスがボストン交響楽団(音楽監督)とライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(カペルマイスター)両方の契約を延長しました。昨日、ボストンとライプツィヒとの共同のオンライン記者会見で発表されたそうです。
三者の出しているリリース↓
ボストン:
https://a5974837ba.site.internapcdn.net/images/press-releases/bso/20-21/20201005.pdf
ボストンは2022年シーズンまでだったのを25年まで3年延長(2014年からなので合計11年)、ライプツィヒも22年までだったのから27年まで5年延長(2018年からなので合計9年)。そしてボストンの方には「もっと延長できるから」というエバーグリーン条項が含まれるそうです。
両方のオーケストラの交流プログラムっての?そういうのも計画されていて、曲は共同で委嘱するし、お互いのオケのレパートリーを交換っこみたいなこともするらしい。なるほど。あと若手育成プログラムもシェアするそうです。あっ、学生たちが両方で学んだり演奏できたりっていうのはなんかよさそうな気がする。うん。
しかしオーケストラが共同で延長の記者会見をするのってなんか不思議な感じですがこういうのって昔からあったんですかね。コロナだからオンラインでっていうのは初めてにしても。誰か詳しいひと教えて。
さて、指揮者が長く一つのオーケストラにとどまることは、いいこともあるがよくないこともある。団員が悪口を言うようになるのです(飽きてきて、など)。カラヤンだってそうだったではないですか。ウィーン国立歌劇場はいつだって指揮者が追い出されたり出ていったりしているではないですか。
「神様が指揮者になっても文句が出る」とすら言われるほど、オーケストラの指揮者は難しい職業なのです。ま、そんなこといったらサッカーの監督とかだって難しいでしょうけどね(ま、それをいい出したらなんだって難しいってことになりますがね)。
サッカーとかスポーツの場合は勝敗がはっきり出るので、現場で監督がめちゃくちゃに嫌われていても結果が出ればまあなんとかなる。しかしオーケストラの場合は勝ち負けはない。せいぜいスポンサーがどれだけつくか、チケットがどんだけ売れたか、ぐらいしか数字として出てこない。なので、経営陣が、なんでだめなの?と問えば、ああだこうだ、なんとかかんとか、なんとなくだめ、あそこで振り間違えたから、ゴニョゴニョ、、、、とかそういう風になりまして、「客席が埋まってるんやったらええんちゃう、まあこらえてつかあさい」と経営陣はやっぱり言うかもしれぬ。
そういうすごく大変な職業なのに、こうやってボストンとライプツィヒという、うるさ型が揃っているオーケストラで長期延長を視野に入れた契約更改がなされるということは、集金面、集客面、芸術面と、様々な意味でうまいこと行っているのでしょう。