オーストリアの、ウィーンに次ぐクラシック音楽の聖地、ザルツブルク音楽祭はかのリヒャルト・シュトラウスも創設者の一人に名を連ねる由緒正しき音楽祭であります。
そのメイン会場である「ザルツブルク祝祭大劇場」は1960年竣工、つまり今年で60年。この間にいろいろと老朽化が進み、防火設備とかエアコンの問題とかも抱えていた(空調設備っておっそろしく高いんですよね)。
おととしにはゲリラ豪雨で客席に雨漏りしましたよね。
これはソコロフのリサイタルの最中で、私の大学の先輩がまさにその場にいたらしいのですが「巨匠ご本人は全く気が付かなかったようだ」と感動の面持ちでした。「ニュース写真に私が映っている画像が使われてた!」とむしろ先輩はうれし恥ずかしニッコニコでした。
話がずれました。しかしこのたびいよいよ、改修に向けて動きが始まったということだそうです。まじかこのコロナでお金ないんちゃうの。しかしザルツブルクは国にとって大切な場所であり、どこかからお金は捻出されるのでしょう・・・・。それが政治というものか。
https://www.swr.de/swr2/musik-klassik/millionen-investitionen-in-salzburger-festspiele-100.html
https://operawire.com/salzburg-festival-announces-massive-renovation-plan/
この改修工事は祝祭大劇場を中心に行われるもので、10年かけて2030年まで行われる予定。総工費は2.62億ユーロとあるから、現在のレートでおよそ325億円!げえっ高いっ・・・・!!いやいや、ハンブルクのエルプフィルの総工費は最終的に8.66億ユーロ=だいたい1,073億円かかったことを考えるとぶったまげたというほど高いわけではありませんね、ホッ。・・・そうなのか?
しかし、工事というもの往々にして予定通りには進まない。このあと工費が膨らんで行く可能性もあり、なんとも言えない。エルプフィルだって最初は2.41億ユーロ(298億円)でスタートして結果的に8.66億ユーロになったんだから、どうなることやら。ザルツブルクも倍々ゲームになったら悲惨だ(さすがにそんなことはないと思いますけれど)。
計画によりますと、2025年から工事を始め5年後の2030年に完成させる、工事中も施設は稼働させる、ということです。動かしながら作りかえるのはむしろ建て替えより困難ではないですか。ザルツブルクの客層も客層だけに見た目も大切にしたいでしょうから、JR新宿駅とかみたいに作業効率重視、ずっと養生テープ貼りまくりというわけにもいかないでしょうしね。
なお床面積は1万㎡増えるそうです。また正面側には変更は加えられず、外から見た感じは変わらないのだとか。改修が済む頃にはコロナも終わっていると思うからまたザルツブルク行きてえ。