ベルリンにはオペラハウスがいくつかありまして、コーミッシェ・オーパーと言えば、今をときめくキリル・ペトレンコがかつて音楽監督を務めていたところです。ああ、なるほど、ペトレンコね、コーミッシェ・オーパーね、わかるわかる、という方は重度のクラシック音楽ファンなので、人生を諦めて、昨日発表された都響のスペシャル公演《くるみ割り人形》を聴きに行ってきて下さい。年末の第九を《くるみ割り人形》に変更するというのはわりと思い切った判断だと思います。
https://www.tmso.or.jp/j/news/10975/
日本では年末は《第九》というイメージが巨大なのですが、違う演目があってもいいじゃない。くるみ割り人形だって年末っていうかクリスマスの物語ですし、この演奏会も12月25日と26日の2回公演、まさにほぼほぼドンピシャでクリスマスっすよ。全曲演奏すると第九より10分長いぐらいなのでボリューム的にも満足。それに「バレエに付随する音楽やろ」とバカにしてはいかんのや。初演は失敗に終わったけど、それは台本が悪かったからで、音楽が充実していることは当初からよく知られていたのや。「花のワルツ」冒頭のハープを聴いて胸がときめかんやつなんておるんか。それよりもなんでおっさんは関西弁でうんちくをたれとるんや。
第九を、合唱の人数を減らして、距離をとって安全にやる、という判断もあっていいし、合唱をそもそも避けるという判断があってもいいですよね。これこそが多様性でありダイバーシティでなのであります(同じ意味)。
ところでコーミッシェ・オーパーですが、現状ドイツは全ての劇場が12月20日まで閉鎖となっているのですが、政治家と協議を重ねた結果、1月末までは公演を多分できないだろうと想定しているそうです。「2021年2月まで公演が再開される可能性は非常に低い」という表現。
https://operawire.com/komische-oper-berlin-likely-to-resume-performances-in-february/
とりあえず1月29日までのチケットは買えない状態になっているそうです。オペラの場合は稽古期間も長いし、動くお金の額も大きい。やらないならやらないでさくっと判断をするのは傷口が却って浅くすむのかもしれません。
コーミッシェ・オーパーに限らず、ヨーロッパのコンサートは1月2月とすでにほぼ全滅、3月以降もキャンセルが増えて来たという情報が入ってきています。こうして日本がコンサートを続けていられるのは奇跡のようなものかもしません。ありがとう感謝。が、それだって危うい均衡の上に成り立っているのかもしれません。みなさま今日も明日も感染防止を徹底、リスクもできるだけ下げる、忘年会はしない・させない・参加しないの「三ない」で乗り切りたいと思います。