ニューヨーク・タイムズ紙にウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの曲目が決まっていった経緯が書かれておりました。
How a New Year’s Concert Was Composed
https://www.nytimes.com/2020/12/23/arts/vienna-new-years-concert.html
そもそもクラシック音楽は出演者と曲目、これが決まっていて初めてチケットが売れます。超人気指揮者が出演する場合は《曲目未定》でもそれなりに売れなくはありませんが、やはり曲目が出ないことには売れ行きは鈍いのが通常です。そして出てきた曲目がドマイナーな場合は・・・やっぱり売れません。
しかしそういう心配の全くないコンサートというものもごくまれにあって、その一つがウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート。定価最高1200ユーロ(15万円ぐらい。2021年実績。ただし最終的に無観客になったので無効)もするバカ高いチケットは毎年抽選で倍率も大変高く、当たらない。どうしてもほしい人は法外な値段を出して旅行代理店から購入するよりないのです。
そんなウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートですが、曲目は毎年違っていて、いろいろな曲が演奏されます。もちろん、必ず演奏される曲もあるわけですが、マイナーな曲もいろいろと発掘されては演奏されています。
いままさにリハーサルをやっているんじゃないかと思いますが、来年のニューイヤー・コンサートを指揮するのはムーティ。6回目。この数は現役ではマゼールの11回に次いで2番目に多いんすよね。なお最多はヴィリー・ボスコフスキーの25回、その次クレメンス・クラウスの13回。なので全員合わせて4番目の登場回数となります。
曲目どうしましょう、という会話は2019年の夏、ザルツブルク音楽祭でスタートしたそうです。ムーティは出演回数も多く、曲決めはとても楽だったそうです。そもそも「どういう方向性でいきましょ」、こういう感じで話し合いがスタートしたと書かれていました。
●2019年夏、ザルツブルク音楽祭のときに話し合いスタート
●2020年1月はじめまでに、電話やメールで大体の曲目を決定
●2020年6月、ウィーンに滞在していたムーティと最後の話し合い、最終決定
今回演奏されるスッペの喜歌劇《ファティニッツァ》より「行進曲」は、ウィーン・フィルが演奏するのは初めてなんだそうです。
ほーさよか。ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートについてもっと詳しく知りたい方はWikipediaに行くと手っ取り早いです。
いずれにせよこのコロナのなか無観客というのは史上初めてなので、特殊な雰囲気で開催されることは間違いがないすね。