サー・サイモン・ラトルと言えば英国人というイメージなわけですが(実際そうなんですけれど)、そのラトルがドイツ国籍を申請中だそうです。・・・・なにぃ?てえへんだてえへんだ、八っつぁん!!
https://www.dw.com/en/british-conductor-simon-rattle-applies-for-german-citizenship/a-56238574
https://www.theguardian.com/music/2021/jan/16/simon-rattle-applies-for-german-citizenship-brexit
ドイツ人になっちゃうんですよサー・サイモンは。でも心配は無用だぁね八っつぁん!なんでって、サイモンは英国のパスポートも持ち続けるからね。英国人でもあるしドイツ人でもある、という二重国籍となるわけです。日本では認められない二重国籍です。なんで二重国籍なのかということになると、便利だからです。自分の都合の良いパスポートを、都合の良い時に用いることができるんですよ。
なぜそんな事に?・・・考えるまでもなく、ブレグジットだからです。英国がEUから離脱したことにより、英国人のEU内でのコンサート活動には制限がつく。どうやらいちいちめんどくさいビザを取得しなければならなそうなわけ。事務作業も面倒なら申請のたび地味にお金もかかる。
ラトルはもともと反ブレグジットだったので、ブレグジットによって自分にもたらされる不利益については受け入れがたく感じているに違いない。それでもなお二重国籍を選択したのは、やっぱ自分は英国人って思っているからでしょう。
私の知っているある中国人演奏家は、ポルトガルのパスポートを持っていました(中国は二重国籍を認めていないので、中国のパスポートを持っているかどうかは不明)。どうしてかというと、中国のパスポートで世界各国を回るというのとてつもなく煩雑で面倒だから、だそうです。自由に、支障なく演奏活動をするために欧州のパスポートを持っているのだ。ただし取得はめちゃくちゃ大変だった、と語っていました。
BBCのこの記事によりますと
https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-55654386
現状、英国人のツアーについてはビザなしの旅行を保証されておらず、6ヶ月のうちに最大90日間、EUでツアーを行うことはできるようですが、例えばドイツやスペインでのコンサートについては追加でビザを取得する必要があるんだそうです。しかしフランスやオランダでは必要ないのだそうです。そして、ツアーの機材を運ぶトラックについては、EU内の2カ国を訪れたらいったん英国に戻らなければならない、というようなことにもなっているそうで、いやいやいや、複雑で面倒すぎる。
今後も継続的に議論は続けられるそうですが、ブレグジット、いろいろ大変そうすね。