ショパン国際コンクールの予備予選が今年4月から7月へと再延期、というニュースが昨夜流れピアノ・ファンやショパン・ファン界隈から再び悲鳴が上がっております。このニュースですね↓
しかし《ショパン国際コンクール》《チャイコフスキー国際コンクール》とともに世界三大コンクールの一つに数えられる《エリザベート国際コンクール》のメイン会場であり、個人的に大変思い出深いベルギーのパレ・デ・ボザールで昨日午後4時ごろ(日本時間深夜0時ごろ)火事発生というニュースには、わたくし的にかなり動揺が走りました。
https://www.en24news.com/92349/2021/01/roof-fire-in-bozar.html
パレ・デ・ボザールという名前は日本ではあまり知られていないと思いますが、ベルギーの首都ブリュッセルにある築90年を越すコンサートホールです。
BOZAR公式サイト
https://www.bozar.be/
ウィーン・フィルとかコンセルトヘボウとか外来オーケストラが来たら大抵ここでコンサートをする。そしてなにより世界三大コンクールの一つとまで言われる若手の登竜門《エリザベート国際コンクール》のメイン会場として長く使われていることで知られる。私も留学中に通い詰めたホールであります。ブーレーズの生声もここで聞いたよ。
東京で言うと東京文化会館のような立ち位置、ですかね。
付近の人が撮影した動画がtwitterに上がっている。うわー煙モクモクや・・・。
夕方4時12分に通報があり、すぐさま消防車が出て消火活動が行われた。およそ4時間後の午後8時30分に消火完了。消防士一名が大怪我をして病院に運ばれた。死者はないとの報道。しかしながら深刻な水害が発生している可能性もある。ボザールは25年かけ修復中で(25年て長すぎィ!!)、その費用は1億ユーロ(約125億円)にも上っているそうですが、それもおじゃんの可能性高いですかねこれ。
このホールが完成したのは1929年で、設計はヴィクトル・オルタっていう人。この人は、ベルギーに住んだことにある人なら必ず知っている人の一人なんですが、アール・ヌーヴォーを世界で初めて建築に取り入れた人です。自宅はミュージアムになっていて、私が住んでいたところからもほど近く、何度か行きました。これ↓
このご自宅でビビるのはベッドのすぐ脇に男性用のトイレがついてるところ(開閉式)。夜中に催してもそのまま回収が可能!すげえ!・・・・ていうか匂いは大丈夫なのか。
話がずれました。ボザールの火事です。ボザールにはコンサートホールの他に展示室とかもあって、なんと今「ホテル・ベートーヴェン」と題した展覧会を開催中。オリジナルの楽譜や楽器を含む貴重な展示があったようで、消防活動でダメージを受けていないかが心配される(これから調査されるようです)。
消化のために水を使うと、それによって水害が発生する可能性があるんですよね。でも燃え始めちゃったら水を使うよりありませんしね。マッチ一本火事のもととは言いますが、皆様も火にはどうぞお気をつけください。関東は本日もめちゃくちゃ乾燥している。
ボザールが無事であることを願います。