自宅を自分の好みに改造する、今風に言えばカスタマイズする。嗚呼なんと甘美な響きがすることでしょう。理想に近づけるべくあれやこれやと、予算の許す限り改造を施す。さぞや素晴らしくわくわくする経験でしょう。
問題は売ることになったときに買い手がつくのか、という点でしょうか。売ることなんてないから大丈夫、ですって?誰がそんなこと断言できるんです?自分の好みが他人の好みと一致することはあまりないのと同様、自分自身の好みだって刻々と変化するのだから、当初は大満足でも、あとになってやっぱだめやわってこともありますでしょうし、諸事情で引っ越さざるを得なくなることだってあり得ますやんか。
そこで、ご登場いただくのが、恐怖の、いいえ、奇跡の魔改造ハウス。エントリーナンバー第54760番、オルガンハウスゥゥゥ!!英国、ブリストルです。地図でいうとここです。
なんや、見た目は普通やんか。なにがすごいんや、ということなかれ、君死にたまふことなかれ。中に入ったらびっくり!なんとこれ、パイプオルガンハウスなんですよ。壁とかにびっしりと生える(生えるとか言っちゃいけませんね)パイプの数々!壁から覗くパイプの数々におののけ!!
もっと写真が見たい方は取り扱い不動産屋さん、以下ページへどうぞ。売れちゃったら見られなくなるだろうから、見に行くのは早めがおすすめ。説明文を読むと「オルガン取り除いちまえばもっとスペースが増えるね!」とか書いてあるけど、不動産屋さんで取り除いた方が買い手がつくなんてことないですかね。
https://www.rightmove.co.uk/properties/76533279#/
ちなみにお値段は500,000ポンドとなっておりまして、日本円にして7,500万円ほど。うん。高い!高いよ!!!でも・・・パイプオルガンがインストールされているということなら安いかもしれない。大型のパイプオルガン買ったら1億円ぐらい平気でするもんね!
オルガニストの皆様方、購入ボタンを押す前に立ち止まって強く考えてみてほしい。壁にパイプがズラッと並んでいる、外観を見れば両脇にも家がある。ということはつまり「パイプの振動が津々浦々、波となってネイバー(ご近所)の皆様に伝わっていく」ということであります。
ご近所さんと仲良くやっていける人限定、夜中に大振動を発生させないと約束できる人限定ということになりましょうか。
前の住人すなわちこのオルガンの所持者は、99歳で昨年お亡くなりになった地元の教会のオルガニストだそうです(オルガンを作ったのはなんと夫!究極のDIYだ!!)。そういう方の後に住むとなると、一定の期待が周りの住人からあっても不思議ではないし、夜な夜なオペラ座の怪人が大音量で流れ出したりするとクレーム殺到は必須。
よくよくお考えの上、お申し込みされたし。