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オーケストラはトラックの荷台に乗って

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さて今日のクイズ。ベネズエラのバルキシメトといえば?「ドゥダメルの生まれた街!」と即答できるあなたはクラシック音楽カルトQの決勝進出、間違いございますまい。

ドゥダメルの生地であるのみならず、いろいろな楽器メーカーや作曲家も出ているということで、同地はこの国における「音楽の街」としても知られているそうです。ほんまか。日本で言うところの「浜松」みたいなものでしょうか。浜松といえば、うなぎ、浜名湖、そして、うなぎパイ!しまった間違えた。「音楽のまち」であります。浜松市のウェブサイトにも、「音楽の都へ」というページがあります。音楽のまち、から音楽の都、へとさらなる発展を目指すとあります。

ベネズエラ出身のピアニスト、作曲家、指揮者でもあるホセ・アグスティン・サンチェス氏(31)が発起人となり実行されたのがこのプロジェクトというのですか、イベントというのでしょうか。“Musical Disinfection”と名付けられていて、つまり「音楽的殺菌」・・・・うむ、漢字にするとなんか生々しいですが、言いたいことはよくわかります。

3月4日木曜日、音楽家たちがマスクをしてトラックの荷台に乗り、街なかを音楽を演奏して回った。AP通信のニュースをご覧ください。

https://apnews.com/article/entertainment-caracas-music-coronavirus-pandemic-venezuela-03ce4b4de889908e409076c14761c0fc

何枚か載っている写真を見ましても、なんとも不思議な感じ。結構揺れそうだし、暑そうだし、トラックのエンジン音も大きいのでは。ピアノも乗っけられていて、スタインウェイだと書いてある。しかもうわっ、これはフルコン(=コンサート用の一番大きなピアノ、2000万円ぐらいします)だ。揺れると調律狂うだろうな、直射日光浴びると痛むな・・・お高い楽器なんだが大丈夫か。弦楽器も大丈夫かな。などと私のような人間はついそんなことも思ってしまうのですが、そういう問題ではないのだ!

「音楽はただ人を楽しませるだけでなく、いやしを与え、感情を変化させることができる。」― サンチェス。

サンチェスによると、怒鳴られたりすることも覚悟していたそうですが、反応はどうか。「見ごたえのあるショーだった、鳥肌が立った」バルキシメト在住60歳の女性。

サンチェスの作品を演奏したとあるがいったいどんな音楽か、動画ないか、と思ってあちこち探してみたらありました。

演奏シーンは断片的にしか映らないけどいわゆる南米の音楽っぽいですね。思いのほか幹線道路で演奏していて、聞こえにくいのではないかとも思いましたが、しかし幹線道路を巡らなければ目立たないということでもあります。