ミュージカル・ビーフ。あるいはミュージック・カウ。これからはこんな言葉がトレンド入り。
なに?意味がわからないって?心配は無用。なぜなら、これからは牛のために演奏するのが大正解ってこと。
ますます意味がわからない。
ニューヨーク・タイムズ紙を読みますと、ほんまかと目を疑うような学校がデンマークにあることがわかりました。上の写真をご覧よ。みんなドレスアップして、うっきうきや。きみたちが嬉しそう過ぎて「モー」許せん!!
https://www.nytimes.com/2021/04/28/arts/music/cow-concert-scandinavian-cello-school.html
コペンハーゲンから南におよそ80km、ルンドという名前の海からもほど近い村にある「スカンジナビア・チェロ・スクール」は2016年に設立され、世界中から若い音楽家を受け入れている。モットーは「become the best version of yourself(最高の自分自身へ)」。ジェイコブ・ショウという英国出身のチェロ奏者が農場を購入して開設し、これまで200人を越すチェリストたちのキャリアをサポートしてきた。
ふむ、ここまではそこまで特別ではないかも知れない。しかしここからが奇抜。
彼らは地元の学校などのコミュニティで演奏するのに加えて、牛のため最低でも週に1回はコンサートを開催しているのだ。「牛たちもリラックスをしていることを知ることが出来る。牛にとってもよいことだ」。まじっすか。まじですね。演奏が始まると牛たちが群がってくる、とも書いてある。
牛を前に実際に演奏している若者たちのショートショート動画:
https://www.scandinaviancelloschool.com/musical-beef/
なんで牛に?ということははっきり書かれていませんが「日本で牛さんがモーツァルトを聞いていたりする、ということにはさして説得力を感じなかった」と書いてあるので、これはおそらく、逆説的に日本が出発点であろうということはなんとなく読み取れる。なお音楽を聞いて育てると味に影響があるかどうかは、わからないんだそうです。でも・・・
「牛にも好き嫌いがあって、どうやらドヴォルザークは好きじゃないみたいだね。」
牛が本当にリラックスしているのか。むしろリラックスしているのは人間のほうではないか(いじわるなやつ)。いずれにせよ、このようなスローライフが実現できるというのは素晴らしいことなのかもしれません。創立者のショウ自身、フリーランスとして世界中を飛び回り、交渉、プロモーションなどを続けるうちにくたびれ果ててしまったということなので、ぽっかりと空いた穴を埋めるのにぴったりだったのでありましょう。
人と人との接触が制限されている今だからこそ、牛と仲良く。
ちなみにこの計画に協力している牧場主はもと地元Stevens(スティーヴン市)の市長さんで、クラシック音楽が好きで、コペンハーゲン・フィルの理事なんだそうです。こういう人に行き当たったというのもラッキーだったのかもしれませんね。