ミュンヘン国際コンクールは2022年へ延期

今年8月末から9月にかけて開催予定だったミュンヘン国際コンクールも延期が決定しました。

ミュンヘン国際はドイツの巨大コンクール。特に管楽器にとっては最も重要なコンクールの一つです。既に応募の締め切りを2回も延期していたそうですが、今年は無理という判断がついに下されたっちゅう話です。しかも延期先は一気に2年後となるそうです。2022年に延期。

https://www.br.de/ard-musikwettbewerb/teilnahmebedingungen/ard-wettbewerb-teilnahme100.html

https://www.thestrad.com/news/ard-international-music-competition-2020-is-cancelled/10645.article

主催者からのコメント:

It is now clear that the worldwide Covid-19 pandemic makes it impossible to carry out a sensible, and above all fair competition in the usual manner. Despite extending the application deadline twice already, we have accepted that we cannot stage the competition this year. At this stage in time, it is impossible to gauge whether, at the end of August, the candidates and jury members would be able to travel – and in view of the very nature of this international competition, with competitors from many countries on four continents, this is an absolute prerequisite. When it comes to the organization of this event, the world’s largest classical music competition in 21 alternating categories, there are just too many imponderables.’

コロナのパンデミックのため、通常通り落ち着いて公平なコンクールを開催することが出来ないことは今や明らかだ。募集期間を2度延期したものの、今年の開催断念は受け入れざるを得ない。現段階では、8月末に出場者や審査員がミュンヘンに来る事がかなうかどうかわからない。当コンクールの出場者は4大陸、多数の国から集まる。そこを変える事は絶対に出来ない。本コンクールは21の部門という世界最大のカテゴリーを持っているが、現段階での不確定要素が多すぎる。

https://www.thestrad.com/news/ard-international-music-competition-2020-is-cancelled/10645.article

ミュンヘン国際は部門の数が鬼のように多く、毎年複数部門を次々開催しているので(いわく世界最大規模なんだそうです)、来年へ動かす事が難しかったということかもしれません。

全部門が知りたい?しょうがないなー。

Tasteninstrumente 鍵盤楽器
Klavier ピアノ
Klavierduo ピアノ・デュオ
Orgel オルガン
Cembalo チェンバロ

Gesang 歌
Gesang 歌

Streichinstrumente 弦楽器
Violine ヴァイオリン
Duo Violine Klavier ヴァイオリンとピアノ
Viola ヴィオラ
Violoncello チェロ
Duo Violoncello Klavier チェロとピアノ
Kontrabass コントラバス

Blasinstrumente 管楽器
Flöte フルート
Oboe オーボエ
Fagott ファゴット
Klarinette クラリネット
Trompete トランペット
Horn ホルン
Posaune トロンボーン

Ensembles アンサンブル
Streichtrio 弦楽三重奏
Streichquartett 弦楽四重奏
Klaviertrio ピアノ三重奏
Bläserquintett 木管五重奏

Sonstige Fächer その他
Schlagzeug 打楽器
Harfe ハープ
Gitarre ギター
Blockflöte リコーダー
Saxofon サックス
Klavierspiel vom Blatt ピアノ初見視奏

ね、多すぎてわけわからないでしょう?「弦楽三重奏」とかニッチすぎる。あれ?21って言っているけど28部門ない?まあそう固いこというなよ。テキトーだろテキトー。真面目に言うなら多分このうち7部門はもうやらないってことでしょう。例えば「ピアノ初見視奏」とか60年代に2回やっただけだし。

初見視奏ってなんなの

そもそもピアノ初見視奏ってなんなのという方、ご安心ください。お教えいたします。普通は略して初見(しょけん)と言います。これは、いきなり知らない曲の楽譜をホイって渡されてそれをピアノでどれだけ完璧に弾けるかっていうやつです。ピアノ曲ならいいけど(よくないけど)、オーケストラの巨大な楽譜とか、さらにはオペラの楽譜とかをオラ!って渡されて、さあ弾いてみろよ。

当然腕は2本しかないわけだから、全部の音を弾くわけにはいかない。重要な音だけを拾ってきてぶわーっとピアノで弾くんですよ。あと、移調っていうのも多分課題として出されたんじゃないかと想像できますよね。楽譜をポッと渡されるだけでなく、はい、じゃあこの曲イ長調だけど変イ長調にして弾いてね、とか、ああそれだと簡単すぎるか、ホ長調でどうぞ、ハイ次は変ニ長調で、とかそういうやつです。何のためかっていうとこれは歌手のためです。歌手はすぐ「キーを変えて欲しい」っていうので。

そういう能力を持った特殊な人たちがこの世の中にはいる、っていうことだけは今日覚えて帰ってください。なおこの能力は訓練である程度伸びます。私は全く出来ません。ただ、これをわざわざコンクールにしてまでやる意味がよくわからないと言えばわからない。

以上です。ともかく今年の参加を考えていた人たちは残念としか言いようがない。

今年開催予定だったのはフルート、トロンボーン、弦楽四重奏、ピアノ、この4部門です。4つもやっているなら延期の調整は大変かも。2年先になるなんて、本当にガックシでしょう。

最後にこのコンクールの豆知識

知っていたら友達に自慢できるかも知れない豆情報:「ミュンヘン国際は1位をなかなか出さない事で知られるコンクールです。」へーへー。いや、やっぱり1位を出すようにしよう、っていうことになった、とも聞くんですが、それでも1位なしにしている事もわりとあるんで、実際審査員にどういうお触れが出ているかはわかりません。

コンクールなのに1位該当者なしってなんなの?それありなの?君ら偉いの?っていう議論が時々出ますが、そのたびに引き合いに出されるのがこのコンクールかなと。私個人としては1位なしでもいいんじゃない無理して1位にすることはない、って思っていますが、そう思わない方も結構おられるようです。アンドレ・ワッツとか湯気を立てて怒ってますよね。

1位なしとか簡単に言うなよ、みんな人生かけて出てるんや、っていうのは分かりますし、審査員が毎回違うんだからそれによっても審査の厳しさみたいなものも変わるわけなんんで、その辺を考慮すれば1位出すべしって言うのも理解できますけれどね。

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