アルゲリッチ、健康上の理由でザルツブルク音楽祭をキャンセル

アルゲリッチはキャンセル魔、そういうイメージをお持ちの方も多いのではないかなと思いますが、意外と、思いの外キャンセルしないんですよ(印象には個人差があります)。若い頃はキャンセルしまくってたかもしれないが、60歳を過ぎる頃ぐらいからはさほどキャンセルを量産していないはずです(印象には、あー・・・個人差)。

しかしさすがに80歳を越えたら体調にも不安が出てきますよね。8月3日、つまり来週火曜日の公演ですが、ザルツブルク音楽祭の出演をキャンセルしました。「健康上の理由」で。残念。代わりに演奏するのはイゴール・レヴィットだそうです。

https://www.radioclassique.fr/magazine/articles/martha-argerich-renonce-au-festival-de-salzbourg-pour-des-raisons-de-sante/

音楽祭の公式アナウンスはここから探して
https://www.salzburgerfestspiele.at/en/press

さすがに急すぎて曲目が変わってますな。

●変更前
シューベルト:4番、シューマン:1番、R.シュトラウス

●変更後
シューベルト4番、ブラームス2番、ベートーヴェン9番

なるほど。わりかししっかり変わっちゃってる。楽しみにしていた人は残念。

それよりもやっぱり出演者変更のインパクトの方が大きいですね。ヨーロッパは出演者チェンジや曲目チェンジに基本日本よりずっとおおらかなんですが(変わっても気にしない人が多い)、アルゲリッチも高齢になっており一回一回のコンサートが「体験」ですから、レヴィット=若もんでは満足できんわ、という人もいるかもしれない。このご時世、音楽が聞けるならなんでもいいわ、という人も多くいる一方で、キャンセルする人もいるでしょう。

ちなみに今回は本当に健康上の理由と思いますが、この「健康上の理由 hearth reasons」というキャンセル理由はたいへん便利な言葉でして、表立っては言えないけれど実はゴニョゴニョ(大人の事情)ということもけっこうある。

私が体験したことがあるなかなかの「健康上の理由」は、コンサートマスターと大喧嘩をしたため指揮者がコンサート直前に帰ってしまった。なのでピアニストが前半の協奏曲を弾きぶり、後半はベートーヴェンのディアベリ変奏曲を急遽弾いた、というやつで、これも本当の理由はそのときは明かされず健康上の理由だったと思います(指揮者の名誉のため名前は伏せますがピアニストはアンティ・シーララ。ブリュッセルのボザール、15年ぐらい前の話)。

この場合身体のコンディションが悪いのではなく、精神的なコンディションが悪い、だからやっぱり健康上の理由、ということが言えよう。なかなかに便利な言葉だと言えよう。

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