バイエルン放送、歌唱とエアロゾルに関する最新の研究結果を公表

バイエルン放送による歌唱とエアロゾルの研究、その簡単な報告が記事になっています。7月3日付け。私はドイツ語が読めませんので、下記2つをDeeplで原文から英語にしたり日本語にしたりして読み比べつつ理解をしてみました。(誤解などあればお教え下さい)。

https://www.br-klassik.de/aktuell/news-kritik/chor-corona-chorstudie-singen-infektionsgefahr-br-muenchen-erlangen-100.html

https://www.lmu-klinikum.de/aktuelles/pressemitteilungen/erste-ergebnisse-zu-aerosol-studie-mit-dem-chor-des-br/caf8e9f9c407a2bd

上の方のURLの最初に約9分の実験動画があります(上の画像はその映像のキャプチャです)。ドイツ語です。字幕はありません。ドイツ語ができる方のみならず、皆様も上記URLの中の動画をご覧になることを絶対にオススメ。いわゆる唾ペッペッではなく、エアロゾルと呼ばれる呼気の雲、霧がどういう風にふわ~っと空気中に出ていくかをご覧いただけますよ。うあー、こりゃ少なくとも換気は絶対必須でしょ、っていうのが直感的にわかります。

なお換気ってのは一箇所ではだめで、ちゃんと空気の出口と入口ができるよう、離れた(向かい合っている窓とか)2箇所以上が必要。じゃないと空気は入れ替わらず、エアロゾルはいつまでも部屋にとどまったまま。

電子タバコの仕組を利用

今回の研究は、電子タバコの仕組みを用いて、エアロゾルがどれほど広がっていくかを調べたものです(もちろん無害な薬液を使用)。バイエルン放送合唱団の協力を得て実験が実施されました。高速カメラとレーザー装置で調べたとのこと。タバコを吸わない歌手にとっては難しかったそうですが、メンバーは研究に貢献したいとの思いで参加したとのこと。

というわけで以下が記事の抄訳です:

●エアロゾルは予想よりもはるかに遠くまで広がっていった
結果は驚くべきものだった。一部歌手のエアロゾルは1.0-1.5メートルまで広がっていった(0.5メートルしか飛ばないとする研究とは全く異なる)。しかもそれは目に見えるだけで、である。そして煙は前方だけではなく側面にも、そこまで遠くはなかったが広がっていった。

研究者によれば「(安全の確保には)良好な換気に加えて前方2メートル、もしくは2.5メートル空けることが必要です。左右は1.5メートル。換気が良くない場合、部屋は非常に大きくなければならず、(人と人の)間隔はもっとずっと開いているべきでしょう。」

●涙が出るような結論
今回の研究においても同じ結論が導き出されることとなった。すなわち「ソーシャルディスタンス、そして換気」この2つが最も重要なポイントである。マスクには非常に限られた効果しかない。マスクはたしかに大きな飛沫は防ぐし、エアロゾルも一部はマスクによって除去されるものの、完全に防ぐことはできず、マスクの端からジェット状に放出される。研究者たちはそれを目視した。

●しかし、少なくともより明確になった
バイエルン放送合唱団のマネージャー、スザンヌ・フォングリース「この研究によって、私たちはやはり距離を保つべきであるという事が明らかになりました。私たちだけではなく、世界中のプロフェッショナル合唱団、オペラの合唱団、アマチュア合唱団にとって非常に重要な知見と洞察です」。

●未解決の疑問
今回の調査では「口から室内へのエアロゾルの拡散」のみに焦点をあてている。実際の歌唱中にどの程度のエアロゾルが形成されるかを調査したものではないし、換気された部屋/換気されていない部屋でどの程度の濃度のエアロゾルが蓄積されるのかも調査されていない。また、歌唱中の深い呼吸がどの程度感染の確率を高めるのかについても調べられていない。これらについてはさらなる研究の結果を待つ必要がある。

以上です。

なお、この研究に関連して、シールドに効果なし、と以前ブログでご紹介しました。あれはニューヨーク・タイムズ紙が今回の研究者エヒテルナハ氏へ電話でインタビューをした中での同氏のコメントでしたが、今回の報告記事にはシールドに関する記述はありません。

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まとめてあります】合唱とコロナに関する当ブログの記事一覧は以下ページにまとめてありますので併せてお読みください↓

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エガル

国外に目を向けた記事も有用ですが、岐阜の合唱団での感染が実際に合唱演奏時時に引き起こされたのかどうかのほうが興味があります。BCJはケルンで無聴衆ライブをやりましたが、それで団内で感染したという話は聞きません。国内では武蔵野市や横浜市のホールは合唱を禁止、小金井市や渋谷区では聴衆の人数制限のみと差がありますが、根拠が乏しいままに予約を取り消す権利が自治体側にあり得るのかという疑問もあります。