オペラのヴォーカルコーチがコロナ回復者を支援するプログラム(ロンドン)

コロナに感染し回復した人のなかには、後遺症として呼吸の難しさを長く感じる人が少なからずいるようだ、ということは報道されていて、ある程度知られているように思います。そういった方々を支援するため、英国イングリッシュ・ナショナル・オペラが取り組んでいるENO Breatheという支援策をご紹介いたします。

https://eno.org/eno-breathe/

https://www.nytimes.com/2021/02/16/arts/music/opera-singers-covid-19-treatment-eno-breathe.html

オペラというのは歌であります。歌うということは呼吸をコントロールすることであります。呼吸のスペシャリストが歌手であり、その歌手を助けるのがヴォーカルコーチであります。錦織圭にとってのマイケル・チャンみたいな方々、というと大ざっぱですが、そういう感じ。

その呼吸の専門家が、コロナの回復者のため、自分たちにも何かができるかもしれない、と、ロンドンの病院にコンタクトをとり作り上げた6週間のプログラムがこれ。病院側も長期的な治療に関して頭を悩ませていたので、渡りに船だったそうです。Zoomを使いながら、回復者の呼吸改善、不安を和らげる、という内容です。

・歌に関する経験は一切不要
・発症から8週間以上経過してなお息切れが続く人で、コロナ専門病院の診断を受けた人が参加可能
・18歳以上で、英会話が出来る人であればOK
・すべての民族、宗教の人が参加可能
・用いられるのは世界の子守歌

子守歌を使う理由は明確で、誰でも簡単に憶えられるし、気持ちも落ち着くから。

参加費は無料(寄付で賄われる)。6週間のプログラム終了後も、自分でエクササイズできるようオンラインリソースにアクセスできるし、毎週木曜夜に開催されるオンラインセッションに参加できる。

YouTubeにこのプログラムについての紹介動画もあります。

最初は12人で始めたが、最終的には1000人の人を受け入れることを目標としているそうです。オペラハウスも仕事が今は激減しているので、プロフェッショナルのスキルがいまこそ活用できる、というわけ。

実際に参加した人々は、すぐにうまく呼吸が出来るようになったし不安もぐっと減った、という事を述べているようです。また教える側には、仕事がないという不安を開放し、人々の役に立てるという意欲を生み出している。

素晴らしい。

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