ソフトに売るのかハードに売るのか。ググニン編。

アンドレイ・ググニンというピアニストがいます。来月日本に来ることになっています。ググニンはチャイコフスキー国際コンクールに今年出場しまして、頑張れ頑張れってその前に応援コンサートもいたしました。その結果、特別賞をもらったり、ロシアの名レーベルであるメロディアから録音をリリースすることが決まったりしました。

またチャイコフスキー国際コンクールとは無関係に、ハイペリオンという、英国のレーベルからも録音をリリースすることが決まっていまして、その第一弾がまもなく発売になります。ショスタコです。

で、来月のコンサート(9/27金 すみだトリフォニーホール小ホール)のプログラムをご覧いただければおわかりになると思うのですが、来月のコンサートのプログラムは、全曲がレオポルド・ゴドフスキーに献呈された作品です。はっ?わけわかんない、って思われますでしょうか。思われますでしょう。私も思いましたもん。曲目、下に書きますね。

  • フ ェリックス・ブルーメンフェルト:左手のための練習曲 Op.36
  • エイブラム・チェイシンズ:前奏曲第13番
  • イグナーツ・フリードマン:3つのピアノ小品 Op.33
  • オシップ・ガブリロヴィッチ:左手のための練習曲 Op.12-2
  • ヨーゼフ・ホフマン:性格的なスケッチ集
  • ジョセフ・ホルブルック:ラプソディー練習曲集
  • テオドール・レシェティツキ:3つの小品 Op.48
  • エミール・リープリング:コンサート・ポロネーズ Op.41
  • ​モーリツ・モシュコフスキ:情熱的メロディー Op.81-6
  • リスト=ブゾーニ編曲:ラ・カンパネラ
  • ラフマニノフ:V.R.のポルカ
  • エミール・フォン・ザウアー:演奏会用練習曲第19番『幻影』
  • テオドール・サーントー:東洋的練習曲第3番
  • コンスタンティン・フォン・シテルンベルク:練習曲

上の曲、全部がゴドフスキーに献呈された作品。めちゃくちゃマニアックなくくりだわこれ。良い子の皆さんがご存知の曲とかはほとんどないと思いますが、作曲家の名前とかを見ていますと、こう、手練のピアノファンであれば、なるほどな、と思われるのではないでしょうか。ゴドフスキー上げであります。

曲を聞いたことがなくとも、だいたいの傾向はわかるというもの。多分ですが、やたらと対旋律が強調されていたり、なんかこう、まあ、いろいろ複雑に入り乱れているのだろうな、と、そう思うわけです。まかりまちがっても点描画のような作品、あるいは無調へと突き進むような作品、チャンス・オペレーションとかそういう言葉とは無縁で、ひたすらに技術とロマンを追求した作品が多いのであろう。厚塗り待ったなし、であります。絵の具なら過剰に使用されているであろう。

そう、見た目は一般の皆様に受けそうな、甘いマスク、イケメン風のアンドレイ君でありますが、今回のプログラムは極めてハード。こんなマニアックすぎる選曲はなぜ、と思いますが、これはハイペリオンと話し合った結果の内容なのだそうです。

次のCDが、この内容なんだとか。ゴドフスキーに献呈された作品ばっかって、マニアックを突き詰めるハイペリオンならではのプログラミングだね。なんかこう、全角というよりも半角で語りたい感じ。マニアックだぜ。ジャケットのデザインはいつまで経っても好きになれないが、やってることはどこよりもレア。それがハイペリオン。

だから、もちろんチャイコフスキー国際コンクール好きの皆様にもお越し頂きたいと思って、一般にお配りするチラシは甘めのものを作成いたしましたが、ここに改めましてハードなチラシを作成いたしましたので、ピアノマニアども、、、、いえ、ピアノマニアの皆様が、広くマニアの皆様にお知らせいただけますと幸いです。

男性というのは、自分だけが知っている、という状態を好むそうです。それに対して女性は、これいいよ、と人に言う傾向があるそうです。ピアノマニアは男性率が高そうですが、自分だけが知っている、というキシシシシシ、密かな喜びではなく、広くご宣伝賜りますと誠に幸に存じます。なにとぞよろしくお願い申し上げます。