ジェイムズ・レヴァイン(77)がイタリアでまさかの復帰へ。

レヴァイン復帰への第一歩となるか

私は生涯に一度だけ、ジミーと目が合ったことがあって(目があったことがあって?)、それは20年以上前、大学生の時、アルバイトでNHKホールの楽屋口の前に座っていた時です。メトロポリタン歌劇場の引っ越し公演でしたね。演目忘れました。アイーダだったかな。

「外人なら通していい、外人以外は通しちゃだめ、責任者呼んできて確認してもらってから入れる」とかそういうバイトだったような気がしていますがうろ覚えです。パスとかあの頃あったっけ。レヴァイン先生も通過して行かれまして、ヘローぐらい言ってもらったと思いますよ。そのとき目があったと思うな。・・・ほらね。

セクハラで失墜した権威。解雇、訴訟でバトルののち、沈黙

ジェイムズ・レヴァイン。かつて輝いていたこの名前が地に落ちたのはセクシャル・ハラスメント。しかも同性。しかもティーン。2重3重の意味で厳しく糾弾されることとなった。あれは2017年のことでした。蜂の巣をつついたような大騒ぎになりましたね。

しばらくドロドロとした戦いがあって、2018年にメトロポリタン歌劇場は解雇。1976年から41年に渡りメトに君臨した強力なボスはその座を追われ、沈黙することになったのだ。

だが不死鳥が爆誕するのか。2021年1月、ついに指揮台に戻ってくる!!えっ、マジすか!

場所はイタリアのフィレンツェ。五月音楽祭。メジャーなところだ。しかも「デビューだ」と言うではないですか。なるほどこういう宣伝の仕方もあるのか。

レブレヒトがエクスクルーシブやでとか言いながらブログに書いていましたOPERAWIREや複数メディアでも報道されていますし、公式サイトにも出ている。なのでこれはもう公式なのだ。

音楽祭のインテンダント(総裁)であるペレイラへの独占インタビュー(以下抜粋は有料記事です)によれば:

「悪と決めつけられた人をわたしは守ろうとしてきた、それが公正だったか不当だったかに関わらず」「レヴァインは長年にわたり音楽界に貢献してきたが、いまは沈黙してしまっている。音楽界は彼の音楽を聴くべきである」「説得は私と彼の所属事務所とでした。簡単ではなかったが、レヴァイン本人が音楽を欲しているということ、それが彼を動かしたのだと思う」「メータは大賛成だった。ほかの音楽家たちもそうだろう」

https://www.musicalamerica.com/news/newsstory.cfm?storyid=45499&categoryid=2&archived=0

イタリアはセクハラで失脚した音楽家に手を差し伸べてきました。グリゴーロ、ドミンゴ、ガッティなど、ペケマークのつけられた音楽家たちがイタリアで活動を続けている。

イタリアは甘いのか、それともアメリカが敏感すぎるのか。もちろんケースバイケースで考えるべきだと思いますが、敗者復活のチャンスがレヴァインに与えられるべきか、皆さんはどう思いますか。私はどちらかというと反対かな。

むちゃくちゃスケジュールはハード

それはそうとスケジュールを見たらびびりますよ。

指揮するのはベルリオーズ《ファウストの劫罰》コンサート形式。・・・・だけでなくブラームスの《ドイツ・レクイエム》。・・・・だけでなくモーツァルトの3大交響曲

いや待てよまじかよ。ボリューム大きすぎるよ、大丈夫か。こう思ってしまうのは、レヴァインは騒ぎの前から体調不良とかでキャンセルしまくっていたから。年齢を見ると1943年生まれなのでまだ今年で77歳なんですけれど、衰えぶりは前からかなり言われていた。病気もありますし。車椅子で舞台に現れ、特注の、めちゃめちゃお金がかかってそうな装置を使って指揮台にのぼっていたりもしていた。もはやまともに振れない、という噂がたったこともある。

そんなレヴァインが本当にイタリアに行けるのだろうか。しかも1月といえば第二波が到達しているような頃だ、基礎疾患とか大丈夫か。もちろんそのあたりは慎重に協議されたと信じたいけれど「レヴァインのために」と集まった人が、公演直前に「やっぱ出ません、代役はナナシノ・ゴンベエ、レヴァインが認めた19歳のロシアの新星!!華々しくデビュー!」とか言われたら憤激しますよね。

レヴァインはスペシャルなレジェンドなんで普通の代役とは違う。ただしゴンベエ君にとってはスキャンダラスなまでの大デビューを飾れる超ビッグチャンスです。

ファウストは120分ありますよね。それを3回。それからドイツ・レクイエムは70分、モーツァルトは90分超。あと、ファウストとドイツ・レクイエムには合唱団もあります。いろいろ大丈夫なのかとしか言えないのですが、本当に大丈夫ですか。

それに見てこのスケジュール、

2021年
1月11日(月)、13日(水)、16日(土)ベルリオーズ《ファウストの劫罰》
1月17日(日)ブラームス《ドイツ・レクイエム》
1月21日(木)モーツァルト:交響曲39,40,41番(最後の3曲ね)

いやいやいや、これどう考えてもきつすぎませんか。普通の大人指揮者だってしんどいと思いますよね。

ドイツ・レクイエムのリハーサルはどのタイミングでやるつもりでしょうか。14はくたびれちゃって動けないでしょうし、15日に一日だけでやる?11日だけ振って、13と16は代役に振ってもらって17のために体力をリザーブ。18は休んで19、20とモーツァルトのリハーサル。21モーツァルト本番・・・とかが現実的のような気もいたします。それでもかなり非現実的な気がいたします。

バックアップとしてスタンバイするミスターXは一体誰になるのか。メータだったりして(あり得る)。

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