ラドゥ・ルプーは雄弁に語る(語らない)

ぽちっと予約ボタンを押していたところ、昨夜ポストに窮屈そうに投函されていた新刊、それがラドゥ・ルプーにまつわる「ラドゥ・ルプーは語らない。」。アルテスパブリッシングの本は何冊も大事にしている私ですが、これまたすんばらな本であります(まだ読んでいない)。

いやタイトルこれ考えたのだれ、最強すぎる名前ちゃうの。このタイトル知った時軽くどころかグラグラ地球が揺れるぐらい目眩がしました。やられた感がありましたわ。ルプーはインタビューを受けないことで知られていて「語らない」んですよ。事実ベースというわけ。この本もルプーの本とは言え本人へのインタビューではなく、関係のあった人々へのインタビューや寄稿で出来ているという特異でめちゃくちゃおもしろそうな本であります。最後に「。」が付くのも「藤岡弘、」みたいでいいよね。

まだ読んでいないくせにここに書くのは、絶対に面白いに決まっているから。

ルプーは録音も若い頃にしかしていない(とはいえナクソスでたぶんだいたい全部聴けるので、ルプーのためだけにナクソスの有料会員になることだっておすすめ出来る)し、もう引退してしまっている。生演奏を聴くことは最早かなわない。なおたった1回だけだったけれど実演に接することが出来たのは自分としては幸いだったなと思っております。ホロヴィッツ聞いたことない、リヒテル、チケット買えなかった、ミケランジェリ、キャンセルされた(←これはこれでいい思い出)。ルプー、ホールの隅で聴けた!!ヒャッハー!!

「千人に一人のリリシスト」というキャッチコピーがついていたのを懐かしく思いながら夜中にこの本をちらっとめくってみたら一番最初にアンドラーシュ・シフの名前があった。いやシフで始まるとか・・・。シフからのメッセージが冒頭にあるという、その事実だけで感動が電流のように流れる構成になっていて「ほんとうに・・・わかっていらっしゃるご関係者の皆様方、嗚呼、嗚呼」(偉そうなやつ)、と呆然と涙を流し、いいちこをちょびっと口にして寝た。昨夜はくたびれ果てていたのだ。

ヒットポイントが少しばかし回復した今、ルプーのベートーベンを聴きながらこれを書いています。実に爽やかな土曜日の朝となっております。残念ながら私の仕事部屋は北側にあるので朝日は見えないのでありますが、心なかで陽は昇っているぜえ?(意味不明)

全然ルプーと関係ないのだけど、シフが1972年のリーズ国際では2次予選で落ちていたということは知らなかった。そして次の1975年で3位に入っているのですね。コンクールというものは本当に時の運ですなあという思いも新たにしたのであった。

冒頭に載せられたプライベート感300%の写真もまたいいですやんか。詳しくは語るまいが猫と傘だけで2640円のうち2639円ぐらいの価値があってもおかしくないと思う。それほどまでのパンチ力である。

買ってよかった(まだ読んでないくせにというツッコミは断固として認めぬ)。

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川島卓

海賊盤で出ていたザンデルリンクとバイエルン放送響とのブラームスの一番の協奏曲出ないですかね。
私、あの演奏に心底惚れ込んでいて葬式には2楽章をかけてもらえば後はお経も挨拶もいらないと思うほど愛してます。