【速報】NYメトロポリタン歌劇場、2020/21シーズンを完全に中止

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が先程発表。来年6月までの全公演が中止となりました。

新たな公演再開予定は2021年9月となり、今から約1年後まで公演なしことが確定しました。これまではたしか12月末にガラ・コンサートを開催し、年明けからの再開を目指していましたから、一気に休演期間が伸びることになります。

https://www.metopera.org/user-information/2020-21-season-update/

これはやはりアメリカでの状況がいつまでも改善されず、人々の気持ちも劇場にはまだまだ向かないという実情を反映したものでしょう。アメリカの死者の数は20万人を突破、世界最悪の死者数を計上し続けていて、このまま冬に突入して新たなピークが形成されるのでは、ということも大きな懸念材料です。

https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/countries-and-territories/united-states/

先ほど公開されたメトロポリタン歌劇場公式アナウンスによれば、

We regret to inform you that the Metropolitan Opera has made the extremely difficult decision to cancel the entirety of the 2020–21 season, based on the advice of health officials who advise the Met and Lincoln Center. Because of the many hundreds of performers who are required to rehearse and perform in close quarters and because of the company’s large audience, it was determined that it would not be safe for the Met to resume until a vaccine is widely in use, herd immunity is established, and the wearing of masks and social distancing is no longer a medical requirement. Health officials have said this will likely take at least five to six months after a vaccine is initially made available. We want nothing more than to get back to creating operatic magic as only the Met can, but the safety of our company and the audience we serve must come first.

誠に残念ながら、メトロポリタン歌劇場は、保健当局からの助言に基づき、2020-21年シーズンの全日程を中止するという極めて困難な決断を下しました。何百人もの出演者が近接した場所でリハーサルや公演を行う必要があるため、また劇場の聴衆のため、ワクチンが広く使用されて集団免疫が確立され、マスクの着用やソーシャルディスタンスが医学的に必要とされなくなるまで、劇場の再開は安全ではないと判断しました。保健当局は、ここに到達するには、ワクチンが利用可能になってから少なくとも5〜6ヶ月はかかるだろうと述べています。私たちは、メトならではのオペラの魅力的世界の創造へと戻りたいと願っています。しかしカンパニーとお客様の安全がなによりも先です。

これってつまり「ワクチンが出回るようになってからも5、6ヶ月はやらない」という風に読めますので、有効なワクチンが承認されるのが遅くなればなるほど、公演再開もさらにずれ込む可能性があるのかなと思います。製薬会社はやっきになって承認を取り付けようとしていますので、恐らくは前のめりに承認されることになるのでしょうけれど。あと、実際にこの声明通りに今後メトが動くかどうかはわかりませんけれども。

ちなみに最初の演目は2021年9月27日にテレンス・ブランチャード(ジャズミュージシャン)が2019年セントルイス・オペラのために書いた《Fire Shut Up in My Bones(骨の中に閉じ込められた燃える火)》を予定しているそうです。旧約聖書のエレミヤ書の一節だね。なお黒人作曲家のオペラがメトロポリタン歌劇場で上演されるのは初めてだそうです。BLMを意識。再開後に最高の注目を集めるにはどうしたらよいか、という事も考えての選択でしょう。来年秋にBLMはどうなっているのだろうか?

いずれにせよ、アメリカで最も影響力のある歌劇場があと1年は公演再開しないというこの大きなニュースは、アメリカのオペラ界にどでかい衝撃を与えていると思われます。歌手、合唱団、オーケストラ、劇場関係者の皆様がこの先1年間・・・・耐えられるでしょうか。寄付だけじゃきっと持たないので、一定数の人たちは別の仕事に就く必要があるのではないかと思いますが、別の仕事って、じゃあ何をする・・・?

感染症が大爆発に至っておらず、アメリカや西欧に比べればかなり大規模にコンサート活動を再開させている日本は、集客面、予算面でかなり厳しい状況が続いているとはいえ、アメリカよりもずっともっと恵まれているかもしれません。

感謝しつつ、さらに気を引き締め健康第一。急に寒くなりましたんで、本日もご安全に。

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