斎藤雅広さんの思い出。「いい知らせ」。

このブログでは基本的に海外のクラシック音楽ニュースを採り上げていますが、斎藤雅広さんのことはやはり触れておかざるを得ない。まさかお亡くなりになるとは思わなかった。しかもこんなに早く。前触れもなく。62歳なんて若すぎる。

いろいろな方が斎藤雅広さんの思い出を書いていて、インターネット上に溢れかえっています。つくづく愛されキャラだったのだなーということを改めて思います。斎藤さんからはポジティブ感があふれ出ていましたから、様々な人を惹きつけた。公式ブログのURLをよくご覧ください。「いい知らせ」って書いてあるから。ね、ポジティブでしょう?

まさひろ瓦版
https://iisirase.exblog.jp/

そのブログの最新の投稿が、管理人國頭さんの「悲しいお報せ」。涙無しに読めなかったです。

私が前職を辞める時に「ごはんいきましょう~」とお誘いいただき、マネージャーのMさんと3人でお夕食をともにさせていただいたのがお会いした最後の機会でした。「これからもよろしくおねがいしますね~」。まさかそれが最後になるとは。

武蔵野市民文化会館には何度も何度も(何十回も!)ご出演いただき、主に初来日の歌手のリサイタルでピアノを弾いていただいていた。そして、いつだって誰だって、斎藤雅広さんとのリハーサルが終われば、歌手の方々はノープロブレム!とご機嫌でいてくれたんです。

斎藤さんは外国語がとりわけ流暢というわけではありませんでしたが、神経質そうな歌手も、リハーサルは最低何日欲しい、とかそういうことをいう人も、斎藤さんがピアノを弾けば、あっという間にリハーサルは終わってしまうのが常でした。一回通せばほぼ「パーフェクト」と言って歌手たちは満足そうに帰って行く。見事な手腕だったと言わざるを得ません。

歌手の呼吸や間合いが、言葉を用いなくとも自然にわかるんでしょうね。歌のリサイタルで最も重要な点だと思うんです。安心して歌えるかどうか。それはお父様が歌手だったということも関係していたのではないかとも思います。それでもご本人は、あそこが合うかどうか、うまく響くかどうか、オーケストラ的な響きが出せたかどうか、作品のスタイルに合わせた演奏ができたかどうか、ということを舞台袖では非常に気にしておられました(もちろんほぼほぼ笑顔でね)。

通常リハーサルはホールやホール内の練習室でして頂いていましたが、いっぺんだけ、ご自宅でということになり、招聘したブラジル人テノール歌手のご夫婦とお伺いしたことがあります。独特な雰囲気のおうちでした。これはこうであれはこうで、といろいろ飾ってある品々のご説明を頂いたりして、笑顔がたえませんでした。

斎藤さんの周りには笑顔がたえなかったんですよ。おヤクザ風な見た目とは違い、自然体で、おしゃべりで、人によって態度が変わることはなかったし嫌みなところが絶無で(←これすごく重要)、毎回気持ちよくお仕事をさせていただいた。本当に稀有な存在だったと思います。

あの笑顔を二度と見られないと思うと残念でならないです。そう思いながら公式サイトを眺めたら例の顔が笑っていて「明るく行きましょう~」と言われているような気がしました。

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