パリ、ノートルダム大聖堂のオルガン修復作業開始。4年近くかかる見通し。

先日のナント大聖堂の火事は放火、オルガンが完全に燃えて溶けてなくなってしまいましたが、昨年パリのノートルダム大聖堂火事では無事。しかし無事とは言ってもやっぱり無事ではなくて、修復作業は膨大で長期にわたることが明らかになりました。4年近くかかるってよ。

https://mainichi.jp/english/articles/20200803/p2g/00m/0et/140000c

https://www.lemonde.fr/societe/article/2020/08/03/le-demontage-de-l-orgue-de-notre-dame-de-paris-a-commence_6048061_3224.html

炎は免れましたが、有毒ガスがパイプにまとわりついているのでその洗浄も必要だし、昨夏パリではとても気温が高くなったこともあって(大聖堂の屋根が崩れ落ちている)屋内が高温にさらされた。その影響もあるそうです。大きくて強そうなパイプオルガンですが、実はとっても繊細なんだぜ。

ようやく一昨日、鍵盤が取り外されて、これからパイプ(8000本)を順次取り外していく作業に取り掛かる、と。解体作業だけで年末までかかる。「え、そんなのに何ヶ月もかかるんか!」とか思いますやんか。かかるんです。折れたり凹んだり傷ついたりしないように慎重に一本一本やっていくわけですから。あと、どれがどこのパイプか全部記録しながらやらないといけないし。

組み立てる時になって「あれ?このパイプどこだっけ?このへんだったかな・・・なんかきついけど、とりあえず入ったからヨシッ!」。工事あるある。

外された部品は大聖堂の中に設置された特別なコンテナのなかに置かれ、そこで修理が行われる。

オルガンが新しく建造されるのではなく修復=かつてのものと全く同じになる、という点も強調されていました。建物自体をそのまま修復するってことになったんだからオルガンも当然だろうとは普通思うのですが、そういう風に思っていない人もいる、ということが見えてくるようで面白いですね。知り合いのパリジャンも「外観はかつてのものに拘る必要はないのではと個人的には思う」と言ってましたし。

建物をそのまま修復するっていう事がよくわからない方のために例を出しておきますと、たとえばこういう風に↓

なってた可能性もあったってことです。これはザハ・ハディドがアントワープに作った建物です。

上のようなアイデアが通過していたら、オルガンに関しても

↑こんなことになった可能性だってある。これはロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールです。ディズニーの名前がついているけどディズニーランドの中にあるホールではなくて、れっきとした?コンサートホールですので。

どちらが良かったのかはわかりませんけれど、大聖堂の修復に必要な資金は既に集まっているようなので、安心いたしました(小学生のような感想)。

修復工事完了は2024年4月を予定

オルガンの修復が完了し、再び演奏がされるのは(現段階の予定では)2024年の4月16日だそうです。いやはや、長いですね。工程表をお作りになられた方、ご苦労さまでした・・・。

しかしこういう工事というのはしばしば遅れるもの。いつまでたっても完成しないベルリンの新空港(ブランデンブルク国際空港=9年遅れでいよいよ今年10月開港予定。予定ね。)とかの例もしばしばありますから、この日程もずれ込む可能性がある。

マクロン大統領としてはやはりオリンピックに間に合わせたいようですが、こういう工事を請け負う職人さんは頑固で完璧主義だったりするんで、頑なにいい仕事をされることと存じます。「マクロン?オリンピック?知るか」の世界であります。

オリンピックありきの拙速、ではない徹底的な修復。

5 3 votes
この記事の評価
guest
0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments