20世紀初頭のピアノロールから本人が演奏している映像を再現

ちょっと言っている意味がよくわからないな、と思ったんですけれど、ピアノロールの音源から演奏映像を作っちゃった人がいるんですって。・・・はっ?

まずピアノロールっていうのはご存知ですか。オルゴールみたいなもんです。パンチ穴があちこちにありまして、それを特別な機械じかけのピアノにつけて動かすと、あら不思議、演奏が再現されるんであります。

このしかけを用いて、デジタル録音もステレオ録音もなかった時代にピアノの演奏を収録し、疑似的に再現することができたのであります。なんのこっちゃようわからない?じゃあ論より証拠、実際のピアノロール映像をご覧ください。私も細かい技術がどうなってるのかは知らないんですが、こういうものがともかく世の中には存在したのです。ちゃんと音量も変化するんだぜ。19世紀の末ぐらいにできた技術らしい。

で、ピアノロールに演奏を収録した著名な作曲家の一人に、セルゲイ・ラフマニノフがいます。ラフマニノフの残したピアノロール音源を、わざわざピアノの前にマイクをセットして収録し、CDにしたものも発売されています(私も持ってる)。さらには、上のようにYouTubeで聞けたりする、今はそんな時代でございます。

それをさらに一歩前に推し進めるAI(またAIか)技術っていうのでしょうか。それが今日ご紹介する映像。ラフマニノフのピアノロールを使って、本人視線で演奏を疑似体験する、というのがこれ。

まじですか。手の大きさや本人の身長もおそらく考慮された視線になっておりますのでしょうかね。顔が揺れるのも再現している。揺れすぎで酔いそうだ。1943年に亡くなっているラフマニノフがどの程度顔を揺らしながら演奏したのか、証言できる人は多くいないでしょうからおそらくは推測で設計しているんだろうけれど。

気になる手の動きを見ますと、ピアノをやっていた人間からしますとやはりまだまだ「かなり不自然」と、辛口にならざるを得ません。特に映像の最初、両手を使った和音連打のところは明らかに人間の動きと一致しない。不自然極まる。だが心配は御無用!この技術もきっと進んで行くに違いない。もっとなめらかで自然になるのみならず、様々な個性も出せるようになるに違いない。

個性って?そう、例えばですよ、ぐっと指を伸ばした「ホロヴィッツ風」、腕を高々と振り上げて視覚効果を高めた「A.ルービンシュタイン風」、椅子はギーギー鳴るわハミングも聞こえるわ「グレン風」、指を高く上げるハイフィンガーの「久野久式」。加えて身長はラフマニノフ風の198cmで、とか、グリーグ風の152cmで、など、いろいろなバリエーションで演奏してもらうことができる。身長・体重・演奏方式によって音色も、テンポも、そしてルバートももちろん変化する。未来だ(そうなのか?)。

今は富嶽を用いてもまだ再現できないかもしれませんが、そのうちスマホの画面一つで簡単に遊べるようになる。そんな日も近いのだと確信いたします。

インテル、入ってる。

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