ロシアのピアノ教育界で起こった冤罪事件。関係者が支援し奔走するも未だ釈放されず。

ロシアのある音楽教師が冤罪で逮捕され、刑務所に入れられている。ロシアの音楽教育者、音楽家たちがこの教師を支持し、釈放のために運動を展開している。だが釈放される気配は今の所ない。日本でもこの話を知ってほしい、広めてほしい、という話を聞きました。

この事件というのが、子供を教えることに対してロシア人教育者たちを震え上がらせるものだったそうです。

教師が小児性愛者とされる恐ろしい話:ビデオクリップによって刑務所に9年
https://www.mk.ru/social/2020/08/09/pugayushhaya-istoriya-pedagoga-prevrashhennogo-v-pedofila-9-let-tyurmy-za-rolik.html

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音楽教師のコンスタンチン・チャヴダロフは障害を持つ人、自閉症の人たちの音楽教育の専門家でもある。国家、そして社会への貢献を讃えられ、2017年には名誉ある称号「ティーチャー・オブ・ザ・イヤー」も授与されたほどの人だ。ところが彼の人生は昨年9月にぶち壊される。ある生徒の母親が、レッスンの際に10歳の娘の性器を触ったとして警察に訴えたため、逮捕されたのだ。

9年間の懲役、そして教職の停止を宣告された。警察の発表によれば、捜査官はコンスタンチンが教える他の生徒の親に電話をかけ、教えていた学校を訪問し、罪は疑いの余地がないと主張。また本人もいくつかの自白をしている、と結論づけた。

しかしながら、警察からの聞き取り調査はそもそもどこにもなかったことが明らかになり、コンスタンチンも一貫して罪を否定してきたこともまた明らかになった。彼を救うべく支援団体が設立され、食料、衣料、薬、手紙などが刑務所の中のコンスタンチンに届けられている・・・・。

事件はどのようにおこったのか?

最初のレッスンには母親も同行したが、内容に満足した親は次回から娘一人でレッスンに行かせていた。最後となったレッスンの際、コンスタンチンはYouTubeで開催されるコンクールのために演奏を録画すること提案する。そのためドレスに着替えようと言う。コンクールで演奏するにはふさわしくない格好をしていたからだ。コンスタンチンには3人の子供がいたので、ドレスには事欠かなかった。そこから選んでもらい、着替えさせた(着替えの間、コンスタンチンは外に出ていたことが少女の証言で明らかになっている)。そして演奏をさせたが、緊張したのか少女はうまく演奏ができなかった。手や肘の矯正をして、もういちど演奏させたがうまくいかなったので、今日のレッスンは終わりだよと伝えた。

帰宅後、少女は親に、ドレスに着替えたことを話した。それを聞いた両親は、コンスタンチンに確認することなく、1週間以上経ってから警察に訴えた。「教師が少女の性器を触った」。

両親はその後すぐ自分たちの間違いに気がつき、法廷では彼の釈放を求め、その日のレッスンで起こったことをメモにして提出した。しかしながらそれは完全に無視され、コンスタンチンには「小児性愛者」というレッテルが貼られ、9年の刑が言い渡された。法医学的な報告書によると小児性愛者ではないという結論が出されていたが、それも無視された。

現在彼は刑務所に入っているが、生徒のために劇を作ったり、練習問題を書いたり、技術的な面に関する提案などをしたりなど、忙しくしている。支援団体はなんとしても彼の無罪を認めさせ、釈放されるようあらゆる手を尽くしたいと考えている。事件に関する詳しい情報を希望される方は、支援者のヴェロニカ・ナザロヴァ(https://www.facebook.com/veronika.nazarova.52)宛てにメッセージがほしい、とのことである。

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親が冤罪を認めているのにも関わらず有罪になってしまうという点、たしかに恐ろしいですね。今回のケースでは(おそらく)親に事前に相談なく「着替えさせた」という点が、その子の親を警察へと駆り立てる決定的なスイッチだったのではないかと想像致します。あくまでも結果論ですが。このような冤罪がおこらないよう教育者の側も自衛が必要で、あらゆる措置をとっていかないと行けませんね。

私の友人であるピアニストも、音楽大学で個人レッスンをしている人ですが、会話にはめちゃくちゃ気をつけているし、生徒の身体にはできるだけ触れないようにしている、と言っていました。楽器を教えるにあたっては、生徒の背中や腕、あるいは指などに触れることもあるわけですが、いかんせん、密室で(レッスンはしばしば狭い防音室の中で行われる)、1対1であることが多いので、いったん第三者から疑われ始めたらきりがないということになる。

コンスタンチン・チャヴダロフのケースでは、彼の妻と子どもたちはレッスンの時間、外出していたという点も不運でした。

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