イギリスは19日からイベントの規制が撤廃されて、昨日お伝えしたとおりBBCプロムスは全席販売されることになりました。100%でやる↓
しかし、すべてのホール、主催者がそうするかというと、そうでもないらしい。
例えば下の記事を読むとわかるのですが、ウィグモアホールは7月いっぱいはとりあえず全開放はしない。夏休み後の9月以降はどうするかまだ決めていないそうです。またスネイプ・モルティングス(ベンジャミン・ブリテンが深く関わったホール。オールドバラ音楽祭のメイン会場。もともとウィスキーの醸造所だった所を改造してホールにした)の場合は、お客様にアンケートを取った結果、全席解放はまだ早いと判断。「両隣は空席だが、前後には空席がない」という方式にしたようで、これによりキャパは最大60%になるそうです。
60%だとまだまだチケット収入がきついだろうなと思いますが、やはりそうしたほうが安全だという意識があるのでしょう。あるいはそもそも客席が埋まっていない、という現実があるのかもしれません。だとすると本当になかなか厳しいものがありますね。
このスネイプ・モルティングスの対策を読んだらおもしろかったのですが、
①100%電子チケット
②プログラムの情報(プログラムノートを含めってことかな)は予め聴衆に送られる
③印刷されたプログラムはない
④舞台から公演前にプレゼンがあり
⑤字幕が用意される
⑥休憩はない
⑦マスクの着用は引き続き推奨される
感染症対策としてこれだけのことをしている、ということですけれども、この字幕っていうのが面白いなと思ったんですよね私としては。
つまりいま誰の何という作品の、どこの楽章を演奏しているのか、っていうのが字幕で出されるのだと思うんですけれど、これ、なかなかいいですね。オペラの字幕みたいに2行しか出せない装置を使うのではなく、壁にプロジェクターで投影するとかそういう形にすると、いろいろ情報が出せていい。
なんなら《四季》で、ヴィヴァルディが「吠える犬」とかそういう言葉をいっぱい楽譜に書いてるのも出せますよね。サティの曲にもそういうのがたくさんあるよね。つまり普段の演奏会では絶対に出せない情報を出すことが出来る。いいね。全体のどのへんまで来ているのか、ツールバーみたいなものを表示することも出来る。またなんとなれば曲目解説や楽譜を表示させることだって出来るかもしれない。おお!これぞ21世紀だっ!(あんまりいろいろやるとオペレーションが大変だけど)
もちろん、こういうのは嫌いだ、目障りだ、音楽だけに集中したいという方もおられるでしょうから、グーグルレンズみたいな、なんか特殊なメガネをかけた場合のみ文字が浮かび上がる、みたいにすれば、より多くの人たちが満足できる。
うむ、なかなかいいアイデアだなと我ながら思いましたが、実現のハードルは高いか。