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アンネ=ゾフィー・ムター、ルツェルン音楽祭の評議員に

2022年1月よりムターがルツェルン音楽祭のボードメンバーに加わることが決定したそうです。

https://www.theviolinchannel.com/anne-sophie-mutter-will-join-the-lucerne-festival-foundation-board-of-trustees/

ムターといえば今やヴァイオリンの大御所中の大御所ですが、彼女が国際デビューしたのは1976年、ルツェルン音楽祭だったんすよ。当時なんと13歳。その演奏を聴いたカラヤンが翌年のザルツブルクのイースター音楽祭に招待してベルリン・フィルと共演させ、彼女のキャリアを完全にブースト。ええなー、うらやましいなー、ついてるなーですって?いやいや、才能は世の中が放っておかないということですよほんと。あっ、運もあったと思うけれど。

スイスのルツェルン音楽祭はクラシック音楽ファンなら絶対に知っておくべき世界でも最も有名な音楽祭の一つ。1938年スタートなんで今年で83年。最初のコンサートはトスカニーニがワーグナーのおうちの前でやった屋外コンサート。あー、あれね。わかるわかる(おまえ誰や)

https://www.lucernefestival.ch/

ムターは1976年にデビューしたってことは、今年でデビュー45年。長く関わりを持ってきたと言えましょう。

音楽家の評議員は彼女だけで、あとは政治家とビジネスマンだということですがどういう風に関わっていくのか。人選やプログラミングにムター色が強く出てくるのか。ムターは若手の支援も長くやっていますから、彼女の推す若手が今後音楽祭のデビューシリーズに顔を出してくるかもしれない。

大物音楽家=カラヤンに抜擢されたムターが次世代にチャンスを与える。この構図こそがヨーロッパの伝統継承スタイルです。コンクールで世の中に出る人も多いが、人と人とのつながり、口コミ、むしろそれこそが伝統継承の王道なんである。素晴らしい人材がコロナに負けずまた生まれて行くことを期待しつつ、そうは言っても慌てることもないんでとりあえずムターの若い頃の映像でも見ながら待たれよ。

13歳のドキュメンタリー映像。70年代の画像のエフェクトが時代を感じるわ―。

あと1981年に出た東芝EMIの映像っていうのもYouTubeにあったので御覧ください。カラヤンとのベートーヴェンのリハと本番。なんと日本語字幕付き!ってことは国内で発売された映像なんすね。こんなんがあるとは知らんかった。調べたらこういうやつみたいです。レーザーディスクや・・・・。