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仏フランシス・プーランク・アカデミーが存続の危機

今朝6時まで知らなかったのですが、フランシス・プーランク・アカデミーなるものがフランスのトゥールという街にあります。トゥールはどこかというとここです。パリから見て左下です。なんでここにあるかというと、設立した人のご自宅の近くなんだそうです。

その設立者というのが、バリトン歌手のフランソワ・ルルーと書いてあって、私の頭に小さな疑問がよぎる。あれあれ?フランソワ・ルルーってオーボエ奏者では?ミュンヘン国際で優勝しバイエルン放送響の首席を務めたのちヨーロッパ室内管弦楽団のソロオーボエ奏者でありレ・ヴァン・フランセのメンバーであってリサ・バティアシュヴィリと結婚してるフランスのオーボエ奏者ではなかったか?と私の頭に疑問符が浮かんだ朝なのだ(説明が長過ぎる)。

よくみればフランソワまでは同じだが「ルルー」のスペルが違った。いま話題にしているバリトン歌手ルルー氏はLe Rouxと書き、オーボエ奏者はLeleuxと書く。なるほどこれは、日本語においてLとRとの区別がない問題と深く関わりがあるのだ、ALAS!と私は天を仰いでからそっとブラウザを閉じた。

歌手界隈では有名な方なのかもしれません。不勉強で申し訳ございません。

しかし、ブラウザを閉じたからアカデミーの危機が去るわけでもなんでもない。フランシス・プーランク・アカデミーには(おそらく)プーランクの貴重な資料3万点以上が所蔵されており、名誉委員会にはエリー・アメリンクやグレアム・ジョンソン、ロジャー・ヴィニョールズらが名を連ねており、フェリシティ・ロットをはじめとする豪華な教授陣によるマスタークラスなども開催されてきた。なるほどこのメンツを眺めますに歌曲に特化した団体やね。

どうして危機に陥ったのかというと、市の予算削除。世の中どこでもこういう問題は起こりうるんですね。悩みは世界共通だ。トゥール市議会からこのアカデミーへの助成金が昨年度から比べて3分の2に減らされるということだそうです。2014年には年間3万ユーロ(395、万円)だった助成金は昨年1万5000ユーロ(197万円ぐらい)、そして次年度は1万ユーロ(132万円ぐらい)にまで下げられる、と。

https://www.diapasonmag.fr/a-la-une/lacademie-francis-poulenc-en-danger-24578.html

つらいですの。しかしそもそもがめちゃくちゃ少ない助成金で頑張ってたんだなと思いました。2014年の3万ユーロだって金額としては相当少ない。でもそんななかやりくりしてなんとか手弁当でやっていたのだろうなと。遠く東京の片隅から、応援しています。