日本でも人気のヴァイオリニスト、レジス・パスキエはいま76歳。長年所有し、苦楽を共にした楽器、1736年製グァルネリ・デル・ジェスをオークションにかけることを決めたそうです。
6月3日、パリのオークションハウス「AGUTTES」にて。公式なページはここ:
https://www.aguttes.com/en/sale/123680
楽器に関する詳しい説明とかパスキエとこの楽器との関わりとかパスキエの人生とかそういうのが上記ページのPDFにあります。さすがに高額商品だけあってか、丁寧かつゴーカなPDFが作られております。おお!!ワクワクするねえ。楽器には名前がつけられていて
グァルネリ・デル・ジェス《パスキエ》1736年クレモナ製
でございます。楽器に名前を冠してもらえるというのはなんと素晴らしいことなのでしょう。楽器の名前と共にパスキエの名もまた不滅となるのだ!!ババーン!!
以下はAGUTTESの資料から:
なおグァルネリ・デル・ジェスっていうのはストラディバリウスと同じかそれ以上に貴重な楽器。グァルネリ・デル・ジェスっていう名前について詳しいことはwikiとかを読んで下さい。めっちゃ簡単に言うとデル・ジェス(イエスの)という「あだ名」を持つグァルネリさんが作ったんです。クレモナっていうのはイタリアの街の名前。ここでこの楽器は作られた。
このたび楽器をオークションにかける理由は「若い世代に引き継ぐため」と説明されているそうです。若い現代の音楽家がこの楽器に出会い、その可能性を引き継ぐこと、世紀を超えて存在してきたこの楽器の優れた音の可能性を広めることに貢献すること、とのこと。素晴らしいことですやんか。
気になる推定落札価格は400~450万ユーロ(5.5億から6.2億円ぐらい)とされています。6億ね・・・・。ほー・・・。とりあえず私は先約があるんでオークション不参加でお願いします。残念だなあ。
ヴァイオリンって、グランドピアノの上位機種もそうなんですけれど、すっかりお値段が高くなってしまってね。一般人の手にますます届きにくくなっている。むしろ投機の対象になってしまっているのを憂慮すべきと思います。実際に演奏されるためというより「富裕層の税金対策」という意味合いも強まってきています。
数年前にあるピアノディーラーの方に聞いて軽く衝撃を受けたんですが、フルコンサートグランドピアノを買うお金持ちはF1とかも買っていて、そういうのが使われることなく倉庫に眠っていたりする、とのこと。
楽器は演奏されて初めて意味のあるもの。倉庫や美術館に眠る骨董品ではない。しっかりとわかる人の手にわたり、次世代の最高の演奏家の手に渡ることを強く願うものであります。
なもんでご参加のみなさんそこんところお含みおきください。ほなよろしく頼むわ。