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【業界ニュース】オーケストラが電車で旅行をすることについて。飛行機ではなく。

電気自動車は本当にエコなのか?という事に関してみなさんはどうお考えでしょう。自動車からは排気ガスは出ないが、それでも結局どこかで発電はしなければならず、そこで排ガスは発生するわけであり、結局同じこと、もしくはよりひどいことになっていたりするのではないか?いろいろ調べてもよくわかりません。どうやら「現状では」電気自動車が劇的にエコではないみたいってのはなんとなくわかった。

電気自動車推進派のあるドイツ人とそんな話をしたところ、「でも少なくとも街なかでの排ガスは減るじゃないか」と言われてものすごくモヤった事があります。これから技術がどんどん進めば電気の方が圧倒的にエコだねということになるのかもしれませんし、それを期待しておりますけれど。

ガソリン(もしくはディーゼル)エンジンの自動車vs電気自動車ではなくて、飛行機と電車の比較の場合はもっと明快で、飛行機よりも電車の方が圧倒的に二酸化炭素の排出量が少ないそうです。

オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトゥメントという長ったらしい名前のオーケストラがあります(https://oae.co.uk/)。略してOAEといいます。ああそうそう、くだらあないオーケストラ豆知識ですけど、OAE、とかLSOとか、LPOとかいう言い方をすると業界人っぽく響くからいろいろ遊んでみてね!

エイジ・オブ・エンライトゥメントというのは「啓蒙時代」と訳されますが、しかし啓蒙時代管弦楽団という書き方も違和感満載なので、カタカナで書くことが推奨されています(誰に?)。

このオーケストラが、今月のヨーロッパツアーを電車で行くことにした、と発表したようでして、これはなかなかの決断だ。これにより15,000トン以上の二酸化炭素排出量が抑えられるそうです。

https://www.rhinegold.co.uk/classical_music/orchestra-of-the-age-of-enlightenment-fights-climate-crisis-with-refusal-to-tour-by-plane/

常に、100%いつでも電車でというわけにはいかないと思いますが、地球の環境を考えて、自発的に投票し、少なくとも今回のツアーについては電車で、ということになったのだそうです。結果このツアーはオーケストラにとって赤字となる。だがそれでもよい、という判断。なんや、単なる話題作りか!アピール必死やな君ら!!君らが乗らなくても飛行機は飛んでるんやから二酸化炭素排出量はそんなに変わらんやろ、とかそういうことは言ってはいけないと思いますよ。

時間はめちゃくちゃかかるし疲れるし、お金もかかる。実際問題、電車の方が飛行機よりずっとずっと高いんだな。それに飛行機だと2時間半でブダペストまで行けるところ、電車だと24時間かかるってよ。(ちなみに参考程度?に書きますと新函館北斗駅から鹿児島中央駅まではオール新幹線でおよそ11時間半、乗り換えは2回)

でも彼らは電車を選択した。これを継続させることができるのか?果たして他の団体も追従するのか?そこがポイントになってくるのかな、と。すぐに追従するようなところは、あまり多くはないのでは、と思いますけれど、こういうやり方を推進していく団体は出てくるのでは、とは思います。

実際に電車移動が増えてくるとどうなるか。移動に時間がかかるから必然的に公演回数は減り、出演料は上がる、ということになる(公演回数が減るからその分出演料を上げないといけないし電車代が高く付くならその分の費用も誰かが負担しないといけないもんね。電車代金が大幅に下がるのならともかく)。出演料が上がると、高すぎて無理だわって諦める主催者が出始めることも想像がつきます。するとさらに出演回数が減り、さらに出演料が上がる、その繰り返し、というスパイラルに陥らないといいのですが。

日本にいるとあまりこういう大陸の悩みみたいなのは実感として理解しづらいですけれど、大陸では今後これが一部のトレンドになっていくかもしれませんぜ。今後の動向を引き続き注視していきたい。