ジョナサン・ノットが今月《第九》をロマンド管とやるらしい・・・ただし無観客、テレビでやるらしい(インターネットはないかも)・・・。そういう噂は聴いていました。
しかしロマンド管のウェブサイトを見ると、たしかに公演そのものは予定として発見できたものの、アニュレ(中止)と書かれていたので、あーこれはやっぱりおシャカ(古い)になったのですね、と思って黙っていました。
ところが突如東京交響楽団のツイッターに現れたこれ↓
当団音楽監督ジョナサン・ノット率いるスイス・ロマンド管弦楽団による、ホールの客席まで使った、圧巻の『360°第九』です‼https://t.co/8lBeLsrCcB
— 東京交響楽団 TokyoSymphony (@Tokyo_Symphony) June 12, 2020
うおー、やってますやん。会場となったジュネーヴ大劇場のFacebookにも別角度からの映像↓
それぞれ映像は1分ぐらいですが、かつてない形の《第九》であることは、誰がどう見ても明らか。指揮者ノットの激しい動きを見れば、炸裂という言葉もあながち言い過ぎではないかなと思わされる。東西ドイツが一つになったときのバーンスタインの第九という象徴的なコンサートがあったけれども、このテレビ(オンラインも?)中継も人類史に残るものとなる、、、のかもしれない。バーンスタインの1989年のライブはこれ↓
スイスでは現在300人までなら集まることができるようになっているとのことで、そんならっていうことで、ジョナサン・ノット指揮で、劇場をフルに使って第九。合唱団の数は20数名と噂で聴いていたのですが、もう少しいるのではないか。50人近くいそう。
●ジョナサン・ノット指揮、スイス・ロマンド管弦楽団
●ソーニャ・ヨンチェヴァ(Sop)、マリー=クロード・シャピュイ(Alto)、マウロ・ペーター(Ten)、マニュエル・ヴァルザー(Bs)
●ジュネーヴ大劇場合唱団+チューリヒ・ジングアカデミー
●オーケストラは舞台だけでなく客席にもSDで散らばっている
●歌手は2階のバルコニー。同じくSDで散らばって立っている(一階席にザンザンと飛沫が降ってくるかも。リスク覚悟で。)
●ソリストはバルコニーの一番舞台側の両脇に立っている男女1名ずつが多分そう
●演奏者はマスクなし、歌手もマスクなし(1名黒マスクしている人あり?)
●ノット監督はホールの中心(あるいは中心の近く)、座席の上に覆いかぶせるように仮設で作られた巨大指揮台に乗っている
●赤く丸い毛氈かなにかが敷かれており、指揮スペースを教えてくれている(「この赤丸から出るな!落下危険」を視覚的に指揮者に伝えられるようになっていると想像)
●指揮スペースのまわりにぐるっと円形のレールが敷かれていてそこにカメラ
●このカメラ担当はトリッキーな動きを続ける指揮者を避けつつ操作
●カメラは相当数ある。全部は見えないが10台超えるか?クレーンもある
●カメラクルーは全員マスク着用
●ノットは円形スペース内を激しく動きながら360度、1階2階あらゆる方角を向きながら指揮(カロリー消費増)
●指揮者の頭上には円形の大モニターがやはり仮設で。90度×4個か。(バスケットのスタジアムにあるようなモニター)、歌手やオーケストラは指揮者が見えなくともそれを見て演奏可能
昨夜スイス・ロマンド管弦楽団のウェブサイトを観てみましたところYouTubeで20日午後8時から!と情報が上がっていたんですが、今朝見たらYouTubeが消えてテレビに差し替わっていました。
https://www.osr.ch/fr/programme-et-billets/2312
YOUTUBE OSR
Samedi 20 juin 2020 – 20:00
L’OSR CHEZ VOUS!
昨日は上のように書いてあったんですよね。「ロマンド管を自宅で!!」これが消えて下になっていた。
Diffusion le 21 juin à la télévision
RTS 2 à 12h30 et 23h20
ARTE à 18h30
・・・はい、どっからどうみてもテレビですよね。そして1日遅い21日になっている。
というわけで、6月20日土曜日のスイス時間午後8時からYouTubeでも放送する、のかも知れないが、ない、かも知れない。あったとしたら日本時間は・・・21日日曜日の午前3時ですか、やっぱ真夜中っすね。どういう放送になるのか、大変興味深い。
2020/6/24 AM10:14追記
以下から全曲が映像でみられます。ずっと観られるかどうかはわからないので、早目の視聴をおすすめ。
結びに:SDなしで第九を(つまり客席がSDでスカスカではない状態で)コンサートホールで以前と同じ様に聴ける日はいつになるのかといわれれば、それはまだわからない、と言わざるを得ません。なので、これを持ってバンザイとかはまだまだ言えません。そもそも無観客ですしね。
それとこのコンサートは専門家の見解をもとに実施しているのでしょうが、屋内で合唱は危険という専門家もいるわけです。彼らがリスクを覚悟の上でやっていることは間違いないので、これをそのまま真似ることはすなわち「リスクをとってやる」ことだと思いますので、そこは厳重な注意が必要です。
あと合唱団もオーケストラも年齢層若めに見えませんか。そういうとこも見ておく必要があるかなと。意図的かどうかはわかりませんが、リスクが高い「高齢者」は参加していないのではないか、という視点です。
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●2020/6/26追記 実際にこのジュネーヴの《第九》プロジェクトに参加されたチューリッヒ在住のソプラノ歌手、榎本桂子様にそのときの様子をお尋ねしました↓
【まとめてあります】合唱とコロナに関する当ブログの記事一覧は以下ページにまとめてありますので併せてお読みください↓